社労士が入らないと、なぜ後遺障害等級は下がりやすいのか― 症状があっても評価されない理由 ―

― 症状があっても評価されない理由 ―
痛みが残っている。しびれもある。可動域も戻っていない。
それなのに、後遺障害の申請を進めたら「非該当」になったり、14級にとどまったりする。
――労災の後遺障害では、こうしたことが実際に起きます。
原因は、「症状が軽いから」ではありません。
多くの場合、症状が“ない”のではなく、“評価される形になっていない”だけです。
医師は治療のプロです。会社も労基署も、それぞれの立場があります。
ただ、後遺障害等級の認定は、治療の話だけでは決まりません。
日常生活や仕事での支障が、行政が判断できる形で整理されているか。ここで結果が変わります。
この記事では、社労士が入らないと等級が下がりやすい理由と、社労士が実務で何を整えているのかを、できるだけ分かりやすく書きます。
※不安を煽るためでも、無理に申請を勧めるためでもありません。判断材料として読んでください。
医師が悪いわけではありません。それでも等級が下がる理由
まず大前提として、後遺障害等級が低くなる原因は、医師の判断ミスではありません。
医師は、あくまで「治療」と「医学的評価」の専門家です。診察では、骨の癒合状況や画像所見、可動域の数値など、医学的に妥当かどうかを見ています。
一方で、後遺障害等級の認定は、法律と行政の基準による評価です。ここに、大きなズレが生まれます。
たとえば――
- 痛みがある
- しびれが残っている
- 動かしづらい
これらは医学的には「自覚症状」と整理されることが多く、診断書には簡潔に、あるいは控えめに書かれがちです。
しかし労災では、「その症状が、日常生活や労働にどのような支障を与えているのか」が評価の中心になります。
つまり、症状があるかどうかよりも、症状が“どう影響しているか”が説明されているかが重要なのです。
本人の誠実さが、かえって不利になることもある
後遺障害が正しく評価されにくい理由は、もう一つあります。それは、ご本人が無意識に不利な伝え方をしてしまうことです。
たとえば診察室で、
- 「だいぶ良くなってきました」
- 「我慢すれば仕事はできます」
- 「前よりは楽です」
こうした言葉は、日常会話としては自然ですし、決して間違ってはいません。
ですが、労災の評価では――「改善傾向」「支障は限定的」と受け取られることがあります。
結果として、
- 症状が軽いと判断される
- 日常生活への影響が小さいと整理される
- 等級の対象外、または14級にとどまる
という流れになってしまうことがあります。
真面目で誠実な人ほど、損をしやすい。これは、労災の後遺障害では珍しくありません。
可動域や神経症状は「整理の仕方」で評価が変わる
可動域制限やしびれといった症状は、実は評価のされ方で等級が大きく変わる部分です。
実際によくある「14級で止まりやすいケース」
たとえば、次のようなケースです。
- 骨は癒合しており、画像上は大きな異常がない
- 可動域制限はあるが、「日常生活は一応できる」と伝えている
- 痛みやしびれはあるが、診断書では簡潔な記載にとどまっている
この場合、労基署側では 「症状は残存しているが、生活・労働への支障は限定的」 と整理されやすく、結果として14級、あるいは非該当となることがあります。
問題なのは、症状の強さではありません。 「どの動作が、どの程度つらいのか」「仕事や生活にどう影響しているのか」 が、評価できる形で結びついていない点です。
実務では、こうしたケースに対して 症状 → 具体的な動作 → 仕事・生活への影響 を一本の線で整理し、診断書や申立て内容に反映させています。 これは「等級を上げるため」ではなく、 不利な整理で判断されないようにするための作業です。
同じ症状でも、
- どの動作で支障が出るのか
- 健側と比べてどう違うのか
- 仕事や生活にどう影響しているのか
こうした点が整理されていないと、「数値はあるが、支障は限定的」と判断されやすくなります。
逆に、症状と生活上の支障がきちんと結びついていれば、評価は大きく変わります。
この整理は、ご本人だけで行うのはかなり難しいのが実情です。
社労士がしているのは「症状を翻訳する仕事」
ここで、社労士の役割が出てきます。
社労士がやっているのは、症状を大げさにすることでも、等級を無理に引き上げることでもありません。
- 症状を整理する
- 医師に伝える内容を整理する
- 労基署が判断できる形に整える
言い換えると、症状を「評価される言葉」に翻訳する仕事です。
これは、医師でも、会社でも、ご本人でも担えない部分です。
「今は申請しない」という判断ができるのも社労士
もう一つ、あまり知られていない重要な点があります。
社労士が関わることで、「今はまだ申請しない」という判断ができる場合があります。
症状固定を急いでしまうと、十分に整理されていない状態で診断書が作成され、結果として不利な認定につながることがあります。
社労士が入ることで、
- 症状固定のタイミングを慎重に考える
- 準備が整ってから申請する
という選択が可能になります。
まとめ:等級は「症状」ではなく「評価」で決まる
後遺障害等級は、痛みの強さや我慢の度合いで決まるものではありません。
症状が、どのように評価されるか。この一点で、結果は大きく変わります。
社労士が関わる意味は、「必ず等級を取る」ことではなく、不利な評価を受けないように整えることにあります。
もし、症状は残っているがこのまま進んでいいのか迷っている/医師にどう伝えればいいか分からない/申請のタイミングで悩んでいる…そんな段階であれば、一度立ち止まって状況を整理すること自体に意味があります。
※無理に申請を勧めるものではありません。
ここまで読んだ方へ(状況整理から対応します)
後遺障害は、症状の有無よりも、評価される形に整っているかで結果が変わります。
「このまま進めて大丈夫か」を間違えないために、まずは状況を一緒に整理しませんか。
- 事故日(だいたいでOK)
- ケガの名前(診断名)
- 今残っている症状(痛み/しびれ/可動域/違和感)
- 通院状況(週・月どのくらい)
- 仕事・生活で困っている動作(階段、しゃがみ、正座など)
※「今はまだ申請すべきでない」と判断した場合も、その理由をきちんとお伝えします。
よくある質問
Q. 相談したら必ず依頼しないといけませんか?
A. いいえ。状況整理と方向性の確認までは、依頼前提ではありません。必要な場合のみ、進め方と費用をご案内します。
Q. 遠方でも大丈夫ですか?
A. はい。全国対応で、LINEを中心に状況整理〜書類準備まで進められます。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

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