心理的負荷評価表がないと、なぜメンタル労災は不認定になりやすいのか

メンタルの労災(うつ・適応障害など)
心理的負荷評価表が提出されていないと、「業務による負荷」が評価されず、結果として不認定(業務外)になりやすいケースがあります。
この記事では、その理由を労基署の判断ロジックに沿って整理します。
「なぜ落ちるのか」「どこを整えるべきか」を、判断基準に合わせて言語化したメモです。
※ 会社や労基署へ、こちらから勝手に連絡することはありません。
そもそも「心理的負荷評価表」とは何か
心理的負荷評価表は、メンタルの労災で争点になる「業務による心理的負荷の強さ」を、出来事・時期・背景・継続性に沿って整理し、評価基準に当てはめて判断できる形にするための資料です。
- 自由作文ではありません。「評価される書き方」に型があります。
- 本人が作成して提出しても問題ありません(実務では一般的です)。
- 重要なのは誰が作ったかより、評価基準に沿って整理されているかです。
労基署は、発病前の出来事がどの項目に当たり、強度がどの程度かを見ています。
心理的負荷評価表がないと、不認定になりやすい理由
理由①:判断材料が「散らばったまま」になる
診断書・勤怠・メールがあっても、「どの出来事がどれだけ重いか」が整理されていないと、労基署は全体像を掴めず、判断が保守的になりがちです。
理由②:強度評価(Ⅰ〜Ⅲ)に当てはめられない
メンタル労災は「つらかった」だけでは判断できません。出来事の内容・頻度・期間・役割変化などが、評価項目に沿って示されないと強度評価が難しくなります。
理由③:「業務起因性」が伝わらない
私生活の要因・体質・既往歴などが問題というより、「業務により悪化した流れ」が言語化されないと、業務外方向に転びやすくなります。
理由④:「判断不能」=実務上は不利になりやすい
労基署は判断できない場合、認定へ積極的に寄せにくいのが現実です。評価表は、その「判断不能」を減らすための地図になります。
つまり、心理的負荷評価表がない状態は、「事実はあるのに、評価される形になっていない」状態になりやすいということです。
ここで差がつきます。
本人作成はできる。でも「難しい」理由
本人作成は可能です。ただ、実務上は次の理由でつまずきやすいです。
- 評価基準の“当てはめ”が難しい(何を書けば強度に結びつくか分からない)
- 出来事が多く、重要度の整理が難しい(全部つらい/どれが決定打か)
- 表現が感情中心になり、事実・継続性・業務性が弱くなる
- 資料が多く、証拠と主張の接続ができない(どの証拠がどの項目に効くか)
メンタル労災は、この“翻訳”の有無で結果が変わります。
(こもれび社労士事務所の場合)何をどう整えるか
こもれび社労士事務所では、心理的負荷評価表を「代筆」ではなく「評価される構造へ整理」する形で支援します。
① 時系列の整理(発病前6か月が軸)
いつ何が起き、どの時点から負荷が増え、どの出来事で崩れたか。「流れ」と「積み上げ」を見える化します。
② 評価項目への当てはめ
出来事を評価表の観点に落とし込み、「何が強度につながるか」を外さない形にします。
③ 証拠の紐づけ
勤怠・メール・日報など、提出できる範囲の資料を、評価表の記載とつなげて説得力を上げます。
④ 表現調整(煽らず、弱めず)
感情を否定せず、ただし判断に必要な「事実・継続性・業務性」に翻訳します。
相談からの進め方(3ステップ)
いまの状況(いつから・何があって・診断名・勤務実態)を、箇条書きでOKです。
申請の見通し/整理の優先順位/集めると強い資料の目安をお伝えします。
書類作成に入る前に、必ず料金と範囲をご案内します。納得がないまま進めません。
よくある質問
- Q. 心理的負荷評価表は「必須書類」なんですか?
- 法令上の必須書類と明記されているわけではありません。ただし実務上、メンタル労災では「評価の地図」になるため、提出しないと判断材料が不足し、不利になりやすいのが現実です。
- Q. 本人が作って提出しても大丈夫ですか?
- 問題ありません。実務上も一般的です。重要なのは「評価基準に沿って整理されているか」です。
- Q. 会社や労基署に勝手に連絡されませんか?
- こちらから勝手に連絡することはありません。まずはご本人の状況を整理し、進め方の選択肢を一緒に確認します。
- Q. 相談したら必ず依頼しないといけませんか?
- いいえ。状況整理と方向性の確認までは無料で対応しています。書類作成などの作業に入る前に、必ず料金と範囲をご案内します。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

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