20年前の社労士試験合格体験記を読み返して|初心を忘れず、相談者に向き合いたい

先日、昔の資料を整理していたところ、 2005年度の社会保険労務士試験に合格した当時の「合格体験記」 が出てきました。
さらに探してみると、掲載された記事だけではなく、 その元になった3ページの原稿まで残っていました。
当時の私は28歳。 その原稿には、なぜ社労士を目指したのか、 どのように勉強していたのか、 何を大切にしていたのかが、かなり率直に書かれていました。
20年を超えた今読み返すと、 少し照れくさい部分もあります。 一方で、現在の仕事にもつながっている考え方が、 いくつか残っているように感じました。
今回は制度の解説ではなく、 20年前の自分の言葉を読み返しながら、 社労士として今も大切にしたいことを書いてみたいと思います。
社労士を目指したきっかけは「年金への関心」でした
当時の原稿を読み返して、最初に目に留まったのが、 社会保険労務士試験を受験した動機でした。
「仕事で年金を扱うので、特に年金に関する勉強がしたい」
20年前の自分は、そんなことを書いていました。
もちろん当時は、 将来自分が社労士事務所を開き、 障害年金や精神障害の労災を検討する方の相談を受けるようになるとは 想像していませんでした。
ただ、仕事を通じて年金制度に関心を持ち、 社会保険労務士という資格を目指したことは、 今につながる出発点の一つだったのだと思います。
20年前の自分が書いていた「手を広げない」という考え
当時の原稿には、試験直前の勉強について、 次のような趣旨のことを書いていました。
「捨てる勇気を持つ」
これは、何かを諦めるという意味ではありません。 試験直前に新しいものへ次々と手を広げず、 必要なことに優先順位をつけて取り組む、という意味でした。
今の仕事でも、 この「優先順位をつける」という考え方は大切だと感じています。
メンタル労災や障害年金のご相談では、 資料も制度も多く、 「何から始めればよいのか分からない」という状態になることがあります。
そのようなとき、 最初からすべてを完璧に整理しようとする必要はありません。
まずは、 発病までの経過、 受診、 職場で起きたこと、 手元にある資料などを一つずつ確認しながら、 今、確認すべきことから整理していく。
20年前の自分が書いていたことと、 今の相談対応には、どこか共通するところがあるように感じます。
「忘れることを恐れるな」と書いていた自分
原稿には、勉強したことを忘れてしまっても、 必要以上に気にせず繰り返す、という趣旨のことも書いていました。
「忘れることを恐れるな」
今読むと、 28歳の自分なりに、 完璧であることより、 続けることを大切にしていたのかもしれません。
実際のご相談でも、 当時の出来事をすべて正確に覚えているとは限りません。
特に心身の調子を崩していた時期については、 記憶が断片的になっていたり、 時系列が曖昧になっていたりすることもあります。
そのようなときに、 無理に思い出して話を作るのではなく、 メール、LINE、勤怠、診療記録、診断書、 ご家族への相談などを一つずつ確認しながら、 事実を整理していくことが大切だと考えています。
「独りでは絶対に合格できなかった」と書いていました
原稿の最後には、 講師の方やスタッフの方、 一緒に勉強した方々への感謝を書いていました。
「独りでは絶対に合格できなかった」
この言葉は、今読み返しても印象に残ります。
労災や障害年金の手続でも、 体調が悪い中で、 会社、病院、制度、書類、生活のことまで、 一人で抱えている方は少なくありません。
すべてを一人で整理しなければならないわけではありません。
必要なときには、 ご家族、医療機関、支援者、専門家などの力を借りながら、 一つずつ確認していくことも大切だと思っています。
20年前には想像していなかった、今の仕事
28歳だった自分は、 その後どのような仕事を経験し、 どのような形で社労士として仕事をするのか、 もちろん知りませんでした。
今は、 パワハラや長時間労働、配置転換などによって心身の調子を崩した方の 精神障害の労災や、 精神疾患等による障害年金の相談を中心にお受けしています。
ご相談では、 制度の説明だけでは足りないことがあります。
「会社に言う前に、まず状況を整理したい」
「自分の場合、本当に労災を検討できるのか知りたい」
「資料はたくさんあるけれど、何が重要なのか分からない」
そうした段階でご連絡いただくこともあります。
私は、 すぐに結論だけを出すのではなく、 その方に起きたことを確認しながら、 一緒に整理していくことを大切にしています。
初心を忘れず、これからも一つずつ
20年以上前の原稿を読み返すと、 今とは考え方が変わった部分もたくさんあります。
それでも、 分からないことから逃げず、 必要なことに優先順位をつけて、 一つずつ取り組むこと。
そして、 一人だけで何もかも抱え込まないこと。
そうした姿勢は、 今の仕事でも大切にしたいと思っています。
社会保険労務士として制度を正確に扱うことはもちろんですが、 制度を必要としている方が、 「何から整理すればよいのか分からない」ときに、 一緒に最初の一歩を確認できる存在でありたいと思います。
20年前の自分の文章を読み返して、 改めてそんなことを考えました。
メンタル労災・障害年金について相談を検討されている方へ
「まだ会社には言っていない」 「申請するかどうかも決めていない」 という段階でも構いません。
現在の状況や手元の資料を確認しながら、 どのような進め方が考えられるか、 一つずつ整理していきます。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です
「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
※ 個人のご相談(労災・後遺障害・障害年金)/全国対応(LINE・オンライン)
※ 「まず整理だけ」でも大丈夫です

