【2026年最新】障害年金の不支給割合は13.0%?「認定率・支給率」の正しい見方

「障害年金は、申請するとどのくらいの割合で認められるのでしょうか?」
障害年金を検討している方にとって、 「どのくらい認定されているのか」「不支給になる割合はどのくらいなのか」 は気になるところだと思います。
日本年金機構が公表している令和6年度の障害年金業務統計では、 障害基礎年金・障害厚生年金を合わせた新規裁定の 決定146,225件のうち、等級非該当は18,982件、割合は13.0% でした。
13.0%は「新規裁定の決定件数に占める等級非該当の割合」です。 請求した人全員を分母にした不支給率ではなく、 等級判定に至らなかった「却下」も、この分母には含まれていません。
この記事では、日本年金機構・厚生労働省が公表している資料をもとに、 障害年金の「認定率」「支給率」「不支給割合」という数字を どのように見ればよいのか、社労士が整理します。
令和6年度の新規裁定|等級非該当の割合は13.0%
日本年金機構の「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」では、 障害基礎年金と障害厚生年金を合わせた新規裁定について、 次の数字が公表されています。
つまり、
という関係です。
この13.0%は、日本年金機構が公表している 新規裁定の決定件数に対する等級非該当割合です。
※13.0%は、日本年金機構が令和6年度の決定区分別件数として公表している等級非該当割合です。本記事で独自に算出した割合ではありません。
※ここでいう新規裁定は、再認定、額改定、支給停止などとは別の集計です。
13.0%は「請求者全体の不支給率」ではありません
ここは、今回の統計を見るうえで特に重要なところです。
13.0%という数字だけを見ると、
「100人が障害年金を請求すると13人が不支給になる」
と考えたくなるかもしれません。
しかし、公表されている13.0%の分母は 「請求した人の数」ではなく「新規裁定の決定件数」です。
日本年金機構の公表資料だけから、 「障害年金を請求した人のうち何%が最終的に受給できたか」 という意味での確率を、そのまま算出することはできません。
「認定率」「支給率」という公式統計はある?
インターネットでは、 「障害年金の認定率」「障害年金の支給率」といった表現を見かけます。
しかし、日本年金機構の障害年金業務統計では、 「認定率」「支給率」という名称の公式指標が公表されているわけではありません。
公表資料で確認できるのは、たとえば次のような数字です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 決定件数 | 新規裁定について等級等の決定が行われた件数 |
| 支給に至る決定 | 1級・2級・3級または障害手当金とされた決定 |
| 等級非該当 | 障害状態が障害等級に該当しないとされたもの |
| 却下 | 障害等級の判定に至らず、決定件数とは別に扱われるもの |
そのため、「認定率○%」という数字を見るときには、 何を分母にして、何を分子にしている数字なのか を確認することが大切です。
約87%という数字を「もらえる確率」と言えない理由
令和6年度の決定146,225件から等級非該当18,982件を差し引くと、 非該当以外の決定は127,243件になります。
計算上は、決定件数のうち非該当以外が約87.0%だったと表現できます。
理由は、少なくとも次のような違いがあるためです。
- 分母が「請求件数」ではなく「決定件数」である
- 却下は決定件数の外数である
- 障害基礎年金と障害厚生年金では認定される等級が異なる
- 精神障害・内部障害・外部障害などで認定状況が異なる
- 個々の診断書、日常生活、就労状況、初診日などの事情が異なる
したがって、約87.0%という数字を 個人の「受給できる確率」に置き換えることはできません。
「却下」は13.0%の分母に含まれていません
もう一つ重要なのが「却下」です。
令和6年度には、新規裁定の決定件数とは別に、 次の却下件数が公表されています。
| 区分 | 却下件数 |
|---|---|
| 障害基礎年金 | 834件 |
| 障害厚生年金 | 616件 |
日本年金機構の業務統計では、審査に必要な書類等の不備により 障害等級の判定ができない場合などは、却下として決定件数とは別に扱われます。
つまり、「13.0%」だけを見ても、 障害年金請求全体の結果をすべて表しているわけではありません。
障害基礎年金と障害厚生年金では制度が異なります
統計を見るときには、 障害基礎年金と障害厚生年金を同じように考えないこと も重要です。
| 障害基礎年金 | 障害厚生年金 | |
|---|---|---|
| 1級 | あり | あり |
| 2級 | あり | あり |
| 3級 | なし | あり |
| 障害手当金 | なし | 一定の場合あり |
たとえば精神障害の場合、同じような障害状態でも、 障害厚生年金では3級が検討される一方、 障害基礎年金には3級がありません。
そのため、全体の数字だけを見て 「自分も同じくらいの割合で認定される」と考えることはできません。
年度ごとの等級非該当割合はどう変わっている?
公表資料では、新規裁定における等級非該当割合について、 次の数字が示されています。
| 年度 | 等級非該当割合 |
|---|---|
| 令和元年度 | 12.4% |
| 令和2年度 | 8.0% |
| 令和3年度 | 7.8% |
| 令和4年度 | 7.7% |
| 令和5年度 | 8.4% |
| 令和6年度 | 13.0% |
日本年金機構の障害年金業務統計では、令和元年度以降、 新規裁定の決定状況が年度ごとに公表されています。 令和6年度の全件業務統計では、決定146,225件のうち 等級非該当18,982件、割合は13.0%でした。
なお、厚生労働省が別に実施した令和6年度の無作為抽出1,000件の調査でも、 非該当は130件、13.0%でした。 この抽出調査は、精神障害など診断書種類別の認定状況や、 不支給事案の内容を詳しく分析するための別の調査です。
精神障害ではどんな数字が出ている?
厚生労働省の令和6年度の調査では、 診断書種類別の等級非該当割合も示されています。
| 診断書区分 | 対象件数 | 等級非該当 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 精神障害 | 703件 | 85件 | 12.1% |
| 外部障害 | 194件 | 21件 | 10.8% |
| 内部障害 | 131件 | 27件 | 20.6% |
※診断書種類別の集計のため、1人が複数の診断書を提出している場合は診断書ごとに計上され、合計件数は新規裁定の決定件数とは一致しません。
また、この「精神障害」の区分には 知的障害も含まれています。
うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害など、 個別の傷病名ごとの「支給率」「不支給率」が この公表データから分かるわけではありません。
障害年金の統計を見るときの3つの注意点
分母を確認する
「○%」という数字を見たら、請求件数なのか、決定件数なのかを確認します。 分母が違えば、数字の意味も変わります。
非該当と却下を分ける
「等級非該当」は、新規裁定の決定区分の一つです。 一方、「却下」は、審査に必要な書類等の不備により障害等級の判定ができない場合などに、 決定件数とは別に扱われます。
全体の割合を自分の受給可能性に置き換えない
障害年金は、初診日、加入制度、保険料納付要件、障害状態、 診断書、日常生活や就労の状況などを踏まえて個別に判断されます。
自分が認定されるかは「割合」だけでは分かりません
「非該当13.0%」という数字は、 障害年金の認定状況を知るための一つの公的データです。
しかし、その数字から 「自分は87%の確率で受給できる」 と判断することはできません。
実際の障害年金では、 傷病名だけではなく、初診日、加入していた年金制度、 障害認定日、診断書の内容、日常生活能力、就労状況、 周囲から受けている援助などを個別に確認していく必要があります。
特に精神障害では、診断書の 「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」から示される目安だけで 等級が自動的に決まるわけではなく、さまざまな事情を踏まえて総合的に判断されます。
よくある質問
障害年金の認定率は87%ですか?
「87%の確率で障害年金を受給できる」という意味ではありません。 令和6年度の新規裁定決定146,225件から等級非該当18,982件を除くと 約87.0%になりますが、これは決定件数を分母にした計算です。 却下は分母に含まれておらず、請求者全体の受給確率を示す数字ではありません。
障害年金の不支給率は13.0%ですか?
正確には、令和6年度の新規裁定決定件数に占める 「等級非該当」の割合が13.0%です。 請求した人全員を分母にした不支給率ではありません。
精神障害は何%くらい認定されますか?
令和6年度の厚生労働省の抽出調査では、 診断書種類別の「精神障害」区分703件のうち85件が等級非該当で、 割合は12.1%でした。 ただし、この区分には知的障害が含まれ、うつ病など傷病名別の認定率を示すものではありません。
働いていると障害年金は不支給になりますか?
就労しているという事実だけで直ちに不支給になるわけではありません。 精神障害では、仕事の種類や内容、勤務状況、職場で受けている援助、 他の従業員との意思疎通なども含めて確認されます。
まとめ|「13.0%」だけで受給可能性を判断しない
- 令和6年度の新規裁定決定件数は146,225件
- 等級非該当は18,982件、割合は13.0%
- 13.0%は「請求者全体の不支給率」ではない
- 約87.0%を「障害年金をもらえる確率」と考えることもできない
- 却下は13.0%の分母に含まれていない
- 障害基礎年金には3級がなく、障害厚生年金とは制度が異なる
- 精神障害区分の令和6年度抽出調査での等級非該当割合は12.1%
- 最終的には個々の初診日、障害状態、診断書、生活・就労状況などから判断される
統計は参考になりますが、 数字だけで「自分が通る・通らない」を判断することはできません。
まずは、ご自身の初診日や加入制度、診断書に記載される障害状態、 日常生活や就労の状況を整理することが大切です。
「自分の場合はどうなのか」を資料から整理します
こもれび社労士事務所では、 障害年金の初診日、診断書、病歴・就労状況等申立書などを確認しながら、 ご相談者ごとの状況を整理しています。
「自分が申請できるのか分からない」 「診断書を依頼する前に確認したい」 といった段階でも、まずは現在の資料や状況を確認します。
LINEで相談する※障害年金の支給・等級を保証するものではありません。
主な公的資料
- 日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」
- 厚生労働省「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書」
- 厚生労働省「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」
- 日本年金機構「障害年金の認定状況について」
※本記事の統計は2026年9月時点で確認できる公的資料をもとに整理しています。 統計の対象年度・集計方法・分母が異なる数字を単純に比較しないよう注意しています。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

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