障害年金の申請は市役所?年金事務所?相談予約・必要書類・郵送方法を社労士が解説

障害年金の申請先は市役所と年金事務所のどちら?相談予約・郵送方法を解説

障害年金を申請したいと思っても、「市区町村役場と年金事務所のどちらに行けばいい?」「電話で予約しないと相談できない?」「体調が悪いので郵送で申請したい」と迷う方は少なくありません。

障害年金は、病気やけがで生活や仕事に制限が生じた方を支える制度です。ただし、相談する場所と、請求書を正式に提出する場所が同じとは限りません。この記事では、初めて障害年金を請求する方向けに、申請先の見分け方から予約、持ち物、郵送・電子申請、家族の代理相談まで順番に説明します。

まず結論
  • 申請先は原則として初診日当時の年金加入状況で変わります。現在会社員か、退職しているかだけでは判断できません。
  • 相談は年金事務所等でできても、請求書の正式な提出先は初診日当時の加入状況によって異なることがあります。
  • 国民年金第1号期間中の初診なら市区町村役場、第3号期間中や厚生年金加入中の初診なら年金事務所等が基本です。
  • 年金事務所等の障害年金相談はインターネット予約・電話予約ができます。
  • 郵送提出も可能ですが、送付先と請求日、不備がある場合の取扱いを先に確認しましょう。

【動画解説】障害年金の申請先・予約・郵送方法

市役所と年金事務所の違いから、相談予約や 郵送申請まで、動画でもわかりやすく解説しています。

1.障害年金は市区町村役場と年金事務所のどちらに申請する?

障害年金には主に「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。どちらが関係するかを考える際の出発点は、障害の原因となった病気やけがで初めて医師・歯科医師の診療を受けた日(初診日)です。

初診日当時の状況原則的な提出先注意点
国民年金第1号被保険者(自営業、学生など)住所地の市区町村役場の国民年金担当障害基礎年金の請求が基本
国民年金第3号被保険者(厚生年金加入者に扶養される配偶者など)年金事務所または街角の年金相談センター障害基礎年金でも、市区町村役場が基本の提出先ではありません
厚生年金保険に加入していた年金事務所または街角の年金相談センター障害厚生年金の対象となり得ます
20歳前で年金制度に加入していなかった住所地の市区町村役場20歳前でも厚生年金加入中の初診なら別の取扱い
60歳以上65歳未満の国内居住・年金未加入期間住所地の市区町村役場が基本障害基礎年金の要件に該当するか確認
共済組合等の加入期間関係する共済組合等に確認実施機関・加入時期によって異なるため個別確認

※一般的な新規裁定請求の提出先です。実際の受付先・経由方法や個別の加入歴により確認が必要な場合があります。出典:日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」、「障害厚生年金を受けられるとき」。

※窓口での提出先の基本区分です。郵送で提出する場合の宛先・受付方法は、市区町村や年金事務所等へ事前に確認してください。

退職後に申請する場合は?

例えば、会社員として厚生年金に加入していた時期に初診日があり、その後退職した方は、退職したという理由だけで障害基礎年金のみの請求に変わるわけではありません。現在の職業ではなく、初診日当時の加入記録を確認することが重要です。

初診日がはっきりしない場合や、以前の受診先が閉院している場合も、自己判断で請求を諦めず、受診歴と年金加入歴を整理して相談しましょう。

年金事務所は住民票のある地域でなくても大丈夫?

障害年金の相談や請求手続きのために年金事務所へ行く場合、 必ずしも住民票のある地域を管轄する年金事務所を選ぶ必要はありません。

日本年金機構の年金事務所では、原則として全国どこの年金事務所でも個人の年金相談・手続きに対応しています。

例えば、厚生年金加入中に初診日があり、その後退職した方も、 自宅から通いやすい年金事務所や、相談予約を取りやすい年金事務所を選ぶことができます。

また、街角の年金相談センターでも、障害年金に関する相談や請求手続きに対応しています。 利用する際は、希望する窓口で対応できる手続きや予約方法を事前に確認すると安心です。

ポイント:住民票の住所地に限定されません
  • 年金事務所は、原則として全国どこでも相談できます。
  • 障害厚生年金の請求も、住所地を管轄する年金事務所に限定されません。
  • 通いやすさや予約の取りやすさで窓口を選べます。
  • 郵送で請求する場合は、送付先を事前に確認しましょう。

参考: 日本年金機構「全国の相談・手続き窓口」

【60秒でわかる】障害年金の申請先は初診日で変わる!

現在無職でも、申請先が市役所とは限りません。 その理由をショート動画で解説します。

2.年金事務所の相談は予約が必要?ネット・電話予約の方法

年金事務所等では予約相談が行われています。全国一律に「予約なしでは一切相談できない」というわけではありませんが、予約者が優先され、予約なしでは長く待つことがあります。障害年金の相談は確認事項が多いため、事前予約がおすすめです。なお、市区町村の窓口や出張相談には独自の予約ルールがある場合があります。

インターネット予約の方法

日本年金機構では、障害年金の請求に関する相談をインターネットで予約できます。受付時間は毎日8時~23時30分です。ねんきんネットに登録していない方も、基礎年金番号とメールアドレスを使って専用サイトから申し込めます。

  1. 日本年金機構「予約相談について」を開く。
  2. マイナポータル・ねんきんネット・登録不要の専用サイトから利用方法を選ぶ。
  3. 「障害年金の請求手続き」を選び、初回相談か2回目以降かを指定する。
  4. 相談先、希望日時、本人または代理人の情報を入力する。
  5. 案内メールの手続きを完了し、予約確定の通知を確認する。

年金相談予約専用サイトはこちら(日本年金機構)

※基礎年金番号がまだない方や、メールアドレスを用意できない方は、予約受付専用電話で相談してください。

注意:ネットで相談日時を予約しただけでは、障害年金の請求書を提出したことにはなりません。また、申込途中の仮予約メールを受け取っただけで完了したと思わず、確定通知まで確認してください。

電話で予約する場合

年金相談の予約受付専用電話

0570-05-4890

ナビダイヤルが利用できない場合:03-6631-7521

受付:月~金曜日 8時30分~17時15分(祝日・年末年始を除く)。通話料がかかります。基礎年金番号が分かる書類を手元に準備しましょう。

予約専用電話では翌日以降の予約を受け付けています。当日の相談を希望する場合は、近くの年金事務所に直接問い合わせるよう案内されています。電話予約の公式案内もご確認ください。

3.初回相談に必要な持ち物と診断書の注意点

初回相談では、最初からすべての請求書類をそろえる必要はありません。まずは年金記録や受診経過を確認し、どの請求方法と書類が必要になるかを整理します。

持ち物準備の目安
本人確認書類原則必要。マイナンバーカード、運転免許証などを準備します。写真付き書類がない場合は、必要な書類の組合せを事前に確認しましょう。
基礎年金番号が分かる書類基礎年金番号通知書、年金手帳など。相談時に準備すると円滑
初診日・通院歴のメモ推奨。最初の病院、転院先、受診したおおよその年月を整理
当時の勤務先・加入歴のメモ推奨。初診日当時の会社名、退職時期、扶養状況など
既に持っている医療資料あれば持参。紹介状やお薬手帳など。新しく取得する必要があるとは限りません
委任状・代理人の本人確認書類家族等が代理で相談する場合に原則必要

診断書は相談前に取った方がいい?

初回相談のために、障害年金用の診断書を先に取得する必要はありません。障害年金の診断書には傷病に応じた専用様式があり、請求方法によって記載すべき時点や必要枚数も異なります。例えば障害認定日請求と事後重症請求では、確認する時期が変わります。

先に診断書を依頼すると、様式や記載時点が合わず、再度医師に依頼することになるおそれがあります。年金事務所等で必要な様式・現症日・枚数を確認してから依頼するのが安心です。

4.障害年金は郵送・電子申請できる?

郵送による提出

日本年金機構は、年金請求書や届書の郵送提出ができると案内しています。体調面や移動の負担から窓口へ行くことが難しい方にとって、郵送は有力な選択肢です。

ただし、障害基礎年金の市区町村受付分まで、すべて同じ年金事務所へ郵送すればよいわけではありません。郵送前に、本人の請求を受け付ける窓口へ、宛先・必要書類・原本の要否を確認してください。

月末や65歳の期限が近い方へ:郵送した日や消印の日が、そのまま請求日になると決めつけないでください。特に月末や65歳到達が近い場合は、郵送前に提出先へ連絡し、期限内に請求を受け付けてもらうための方法を確認しましょう。追跡できる方法で送付し、書類の控えを残しましょう。

電子申請もできる?

「障害年金は一切オンライン申請できない」という説明は正確ではありません。日本年金機構は、障害厚生年金の請求について、e-Govの電子申請用送付書を利用して請求書データを提出する方法を案内しています。請求書はPDFまたはJPEG形式で添付します。

ただし、電子申請を利用できるか、診断書などの添付資料をどのように提出するかは、請求区分や書類の内容によって確認が必要です。予約サイトで相談日時を取ることと、電子申請で請求書を提出することは別の手続きです。

国民年金第1号期間中などの障害基礎年金については、公式の請求案内では市区町村役場が原則的な提出先とされています。電子申請が利用できる手続きの範囲、診断書などの医療資料の提出方法、原本を別途送る必要があるかは、請求区分に応じて提出先へ確認してください。

障害厚生年金の電子申請案内 / e-Gov電子申請の公式案内

方法向いている方気をつけたい点
窓口提出書類を見てもらいながら進めたい方予約や移動の負担、不足書類への対応
郵送提出外出が難しい方正しい宛先、到着、原本、請求日、不備補充
対象手続きの電子申請電子申請に対応できる方対象となる請求、認証、添付書類、別送の要否

5.本人が窓口に行けない場合は?家族・代理人による相談

障害年金を検討している方の中には、外出が難しい方、人と話すことが大きな負担になる方、長時間の相談が難しい方もいらっしゃいます。無理をして本人が窓口へ行くことだけが方法ではありません。

家族等による代理相談では、原則として本人の委任状と代理人の本人確認書類が必要です。家族だから無条件で本人の年金記録を確認できるわけではありません。病気等で委任状を作れない場合には別の確認方法が案内されているため、窓口へ事情を伝えて相談しましょう。

また、来所や電話が難しい場合、日本年金機構は文書による年金相談も案内しています。受診歴や困っている点を紙に整理して相談する方法も検討できます。予約相談の公式ページから、代理相談や文書相談の関連案内を確認できます。

6.予約待ち・書類不足で請求を遅らせないために

障害年金の相談予約と、正式な年金請求は別の手続きです。特に、事後重症による請求は、原則として請求日の翌月分から支給されるため、請求が遅れると支給開始時期に影響します。

また、事後重症請求には、原則として65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります。ただし、初診日や年金加入状況などによって個別の確認が必要です。予約が取れる日を待っている間に期限が迫る場合は、窓口に事情を伝え、提出方法を早急に確認してください。

一方、障害認定日による請求では、認定日時点の状態に基づき、一定の場合に遡って受け取れる可能性がありますが、時効による制限があります。どちらの請求が適切かは、障害の状態や診断書の取得可能性を踏まえて検討する必要があります。

書類がそろわない場合:「すべてそろうまで何もしない」のも、「請求書だけ先に出せば必ず請求日を確保できる」と考えるのも避けましょう。不足している書類を具体的に伝え、受付の可否、補充方法、請求日の取扱いを担当窓口へ確認してください。

詳しくは障害基礎年金の受給要件・請求時期、障害厚生年金の受給要件・請求時期をご確認ください。

7.よくある質問

Q.現在無職なら、市区町村役場で申請するのですか?

必ずしもそうではありません。厚生年金加入中に初診日がある場合は、退職後でも障害厚生年金の請求が関係します。初診日当時の加入状況を確認しましょう。

Q.障害基礎年金は必ず市区町村役場ですか?

いいえ。初診日が国民年金第3号被保険者期間中なら、年金事務所または街角の年金相談センターが提出先です。

Q.年金事務所は予約なしでも相談できますか?

予約者優先で、予約なしでも対応する場合があります。ただし待ち時間が長くなることがあるため、障害年金の相談は事前予約をおすすめします。市区町村等の独自運用にも注意してください。

Q.ネット予約にねんきんネット登録は必要ですか?

登録せずに専用サイトから予約する方法があります。基礎年金番号とメールアドレスを準備してください。

Q.診断書を持っていかないと相談できませんか?

初回相談のために障害年金用診断書を先に取得する必要はありません。必要な様式・記載時点・枚数を確認してから医師へ依頼しましょう。

Q.家族だけで相談できますか?

代理相談は可能ですが、原則として委任状と代理人の本人確認書類等が必要です。委任状の作成が難しい場合も、対応方法を窓口へ相談してください。

Q.郵送した日が請求日になりますか?

消印日がそのまま請求日になると一律にはいえません。期限が近い場合は、提出先に受付日・不足書類の扱いを事前確認してください。

Q.ネットで相談予約したら申請完了ですか?

いいえ。相談日時の予約と、障害年金の請求書の提出は別です。

初めて請求する方のチェックリスト

  • 初めて受診した医療機関と時期を整理した
  • 初診日当時の年金加入状況を確認した
  • 市区町村役場・年金事務所等の相談先を確認した
  • 必要に応じてネットまたは電話で相談予約した
  • 本人確認書類と基礎年金番号が分かるものを準備した
  • 受診歴・転院歴・当時の勤務先をメモした
  • 診断書の様式・現症日・枚数を確認してから依頼する
  • 郵送する場合は宛先・請求日・不備時の扱いを確認した
  • 事後重症請求の時期や65歳の期限に注意した

参考となる公式資料

※この記事は2026年10月20日時点の公的資料に基づく一般的な解説です。窓口の受付方法、電子申請の対象、添付書類、請求日の取扱いは個別の状況によって異なります。最新情報は提出先の窓口・日本年金機構の公式案内でご確認ください。

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