骨はついたのに痛い。後遺障害相談でよくある誤解

骨はついたのに痛い。後遺障害相談でよくある誤解
「骨はついたと言われたのに、まだ痛い」
「レントゲンでは問題ないと言われたのに、歩くと痛みが残る」
「症状固定と言われたけれど、これは治ったという意味なのか」
骨折後の後遺障害相談では、このような不安をお聞きすることがあります。
たとえば、
- 床に足をつけるだけで痛い
- 歩き始めの一歩目が痛い
- 階段を下りると強く痛む
- 長く歩けなくなった
- 靴が当たると痛い
というように、「骨はついた」と言われた後も、生活上の困りごとが残ることがあります。
多くの方は「骨折 → 骨がくっつく → 完治」というイメージを持っています。 しかし実際には、骨が癒合したあとも、痛み、歩きづらさ、可動域制限、筋力低下などが残ることがあります。
骨がくっついたことと、痛みや生活上の支障がなくなったことは、必ずしも同じではありません。
この記事では、骨折後に痛みが残っている方に向けて、後遺障害申請でよくある誤解と、相談前に整理しておきたいポイントをお伝えします。
この記事でわかること
- 骨はついたのに痛みが残ることがある理由
- 「症状固定=治った」ではないという考え方
- レントゲンで問題ないと言われても痛みが残るケース
- 後遺障害申請で大切になる生活への影響
- 相談前に整理しておきたいポイント
骨はついたのに、なぜ痛いのか
骨折をしたあと、医師から「骨はついています」「骨癒合は良好です」と説明されることがあります。
その言葉を聞くと、多くの方は「もう治ったということなのかな」と感じるかもしれません。
しかし実際には、骨がついたあとも、
- 歩くと痛い
- 足を床につけると痛い
- 長く立っていられない
- 階段の上り下りがつらい
- 靴が当たると痛い
- 仕事や家事に支障が残っている
- 関節が動かしづらい
- 以前より筋力が落ちて不安定に感じる
という状態が続くことがあります。
骨の状態だけではなく、周囲の組織、神経、関節の動き、傷跡、荷重時の痛みなどが関係して、日常生活に支障が残ることもあります。
よくある誤解:「骨がついた=後遺障害はない」ではありません
後遺障害相談で多い誤解のひとつが、
「骨がついているなら、後遺障害は難しいのではないか」
というものです。
もちろん、骨がきれいについていて、痛みや機能障害もほとんど残っていない場合には、後遺障害として評価されにくいこともあります。
ただし、骨癒合が良好でも、痛みやしびれ、可動域の制限、歩行への支障などが残っている場合には、その内容をきちんと整理しておくことが大切です。
大切なのは、単に「痛い」と伝えることではありません。
その痛みが、どの場面で、どの程度、生活や仕事に影響しているのかを具体的に整理することです。
レントゲンで問題ないと言われても痛みが残ることがあります
「レントゲンでは問題ありません」と言われると、それ以上痛みを伝えてはいけないように感じてしまう方もいます。
しかし、レントゲンで確認できるのは主に骨の状態です。
痛みの原因が、周囲の組織、神経、関節の動き、傷跡、炎症、荷重時の負担などに関係している場合、レントゲンだけでは十分に分からないこともあります。
そのため、
- レントゲンでは異常なしと言われた
- でも歩くと痛い
- 床に触れると痛い
- 仕事や日常生活に支障が残っている
という場合には、検査結果だけで判断せず、実際にどのような支障が残っているかを整理することが大切です。
「症状固定」は、治ったという意味ではありません
後遺障害申請では、「症状固定」という言葉が出てきます。
症状固定と聞くと、「もう治った」「これ以上言っても仕方ない」と感じてしまう方もいます。
しかし、症状固定とは、一般的には治療を続けても大きな改善が見込まれにくくなった状態を指します。
つまり、
- 痛みが完全になくなった
- 生活に支障がなくなった
- 事故や労災の影響が消えた
という意味ではありません。
むしろ、症状固定後に残っている症状について、後遺障害としてどのように整理するかを考える段階に入ることがあります。 労災事故であれば、残っている症状について障害補償給付などを見据えた整理が必要になることもあります。
後遺障害申請で大切なのは「痛みの説明」です
「痛いです」と一言で伝えても、その痛みの内容は人によって大きく違います。
たとえば、同じ足の痛みでも、
- 歩き始めの一歩目が痛い
- 体重をかけると痛い
- 床に触れるだけで痛い
- 長時間歩くと痛みが強くなる
- 夜間に痛みが出る
- 階段を下りるときに痛い
など、内容はさまざまです。
「どんな時に痛いか」を整理すると伝わりやすくなります
後遺障害申請では、このような痛みの性質や出る場面を、できるだけ具体的に整理しておくことが重要です。 ただ「痛い」と書くよりも、「荷重時に痛い」「歩行開始時に痛い」「階段下降時に強く痛む」といった形で整理した方が、診察時にも相談時にも伝わりやすくなります。
生活への影響を整理することが大切です
後遺障害を考えるうえでは、医学的な所見だけでなく、日常生活や仕事への影響も大切な要素になります。
たとえば、次のような点です。
歩行への影響
- どのくらい歩くと痛みが出るか
- 長距離を歩けるか
- 杖やサポーターが必要か
- 歩き方が変わっていないか
階段や段差への影響
- 階段の上り下りがつらいか
- 特に下りで痛みが強くないか
- 手すりが必要か
- 段差を避けるようになっていないか
仕事への影響
- 立ち仕事がつらくなった
- 歩き回る業務が難しい
- 重い物を持つ作業ができない
- 通勤に支障がある
日常生活への影響
- 買い物がつらい
- 家事に時間がかかる
- 子どもの送迎や外出が負担になった
- 靴を選ばないと痛い
このような生活上の困りごとは、本人にとっては当たり前になってしまい、診察時に十分伝えられていないこともあります。
診察時に我慢してしまう方も少なくありません
相談を受けていると、痛みがあるにもかかわらず、診察時にはあまり強く伝えていない方もいます。
「先生が忙しそうだった」
「骨はついていると言われたので、言いにくかった」
「自分の痛みをうまく説明できなかった」
そのような理由で、実際の生活上のつらさが、カルテや診断書に十分反映されていないこともあります。
だからこそ、後遺障害申請を考える場合には、診察時に何を伝えるかを事前に整理しておくことが大切です。
相談前に整理しておきたいこと
後遺障害について相談する前に、次のような点をメモしておくと、状況を整理しやすくなります。
- いつ事故・労災にあったのか
- どの部位を負傷したのか
- 現在どこが痛いのか
- どんな動作で痛むのか
- 歩行や階段に支障があるか
- 仕事や家事にどんな影響があるか
- 症状固定と言われているか
- 後遺障害診断書を作成済みか
完璧にまとめる必要はありません。
箇条書きでも、短文でも、スマートフォンのメモでも大丈夫です。
短いメモの例
たとえば、次のような形で残しておくだけでも十分です。
- 歩き始めの一歩目で足が痛い
- 10分以上立つと足裏に痛みが出る
- 階段は下りの方がつらい
- 靴が当たると強く痛む
- 通勤で駅の階段が負担になっている
「痛いのに伝わらない」と感じたときは、整理から始めてください
後遺障害申請では、痛みそのものを大げさに伝えることが大切なのではありません。
大切なのは、残っている症状を、生活や仕事への影響として具体的に整理することです。
骨はついた。
でも、痛い。
歩くとつらい。
仕事や生活に支障が残っている。
そのような場合には、「自分だけなのかな」「もう相談しても遅いのかな」と一人で抱え込まないでください。
後遺障害の相談は、まず状況整理から
こもれび社労士事務所では、労災事故後に痛みや生活上の支障が残っている方のご相談をお受けしています。
「骨はついたと言われたけれど、まだ痛い」
「レントゲンでは問題ないと言われたけれど、不安が残っている」
「症状固定後に何をすればいいか分からない」
「後遺障害診断書に何を伝えればいいか不安」
そのような方は、まず現在の症状や生活への影響を一緒に整理するところから始めましょう。
LINEでは、短文・箇条書き・スクリーンショットでのご相談も可能です。
診断書やカルテの写真、通院メモ、症状のメモなどがあれば、状況整理の参考になります。
「骨はついたと言われましたが、歩くとまだ痛いです。どこまで後遺障害になるのか知りたいです。」
この程度の一文からで大丈夫です。
まとめ
- 骨がついたことと、痛みがなくなることは同じではありません。
- レントゲンで問題ないと言われても、生活上の支障が残ることがあります。
- 症状固定は「治った」という意味ではなく、残った症状を整理する段階です。
- 後遺障害申請では、「痛い」だけでなく、生活や仕事への影響を具体的に整理することが大切です。
- 診察時にうまく伝えられていない場合もあるため、事前のメモや整理が役立ちます。
骨はついたのに痛みが残っている方は、まずは今の状態を言葉にするところから始めてみてください。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です
「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
※ 個人のご相談(労災・後遺障害・障害年金)/全国対応(LINE・オンライン)
※ 「まず整理だけ」でも大丈夫です


