心理的負荷の「強・中・弱」とは?パワハラ・メンタル労災の見方を社労士がわかりやすく解説【2026年版】

こもれび社労士事務所
(社会保険労務士 近藤明久|元・JR東日本グループ労災担当)
全国対応(LINE・オンライン)
新潟の社労士が、すべて直接対応します。
心理的負荷の「強・中・弱」とは?パワハラ・メンタル労災の見方を社労士がわかりやすく解説【2026年版】
パワハラや長時間労働でメンタル不調になったとき、 多くの方が一度はこう思います。
「これって、労災になるレベルなのか分からない」
その判断のカギになるのが、労災の「心理的負荷の強度」です。
精神障害の労災では、仕事による出来事がどれくらい強い心理的負荷だったのかを、 「強」「中」「弱」という考え方で整理します。
ただ、この基準はとても分かりにくく、 厚生労働省の資料を読んでも、自分のケースにどう当てはめればよいのか迷う方が多いです。
この記事では、パワハラ・メンタル不調の労災申請を考えている方に向けて、 心理的負荷の「強・中・弱」の見方を、できるだけわかりやすく整理します。
心理的負荷とは何か
労災でメンタル不調が認められるかどうかは、 簡単にいうと「仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病したか」で判断されます。
この「仕事による強いストレス」が、労災の世界では「業務による心理的負荷」と呼ばれます。
重要なのは、本人がどれだけつらかったかだけではなく、 同じような職種・立場・経験の人が一般的に見て、どれくらい強い負荷を受ける出来事だったか、という視点で判断されることです。
つまり、
- 自分ではとてもつらかった
- でも客観的には通常の指導の範囲と見られる
- 反対に、一つひとつは小さく見えても、継続性や孤立状況を含めると強く評価される
ということがあります。
この記事でご紹介する「強・中・弱」の考え方は、厚生労働省が公表している精神障害の労災認定基準・心理的負荷評価表の考え方を、一般の方向けにかみ砕いたものです。
精神障害の労災認定で見られる3つの要件
精神障害が労災として認められるには、主に次の3つが見られます。
- 労災認定の対象となる精神障害を発病していること
- 発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷があること
- 業務以外の心理的負荷や個体側要因だけで発病したとはいえないこと
この記事で扱う「強・中・弱」は、このうち2つ目の 「業務による強い心理的負荷があるか」を見るための考え方です。
特にパワハラ・長時間労働・配置転換・孤立などのケースでは、 この整理がとても重要になります。
「強・中・弱」はどう違うのか
心理的負荷は、大きく「強」「中」「弱」の3段階で評価されます。
ざっくり言うと、次のようなイメージです。
強:労災認定につながりやすいレベル
「強」は、労災認定につながる可能性が高くなる重要な評価です。
たとえば、次のようなケースです。
- 人格を否定するような暴言が継続している
- 退職の意思がないのに、執拗に退職を求められている
- 配置転換後、経験と大きく異なる業務を任され、職場で孤立している
- 発病直前に極度の長時間労働がある
- 複数名で担当していた業務を一人で抱え、支援がない状態が続いている
ポイントは、出来事そのものだけでなく、 その後の状況や、職場の支援があったかどうかも見られることです。
中:単体では難しくても、組み合わせで重要になるレベル
「中」は、単独ではすぐに労災認定につながるとは限りません。
ただし、複数の出来事が重なった場合や、長時間労働・孤立・支援不足などと組み合わさった場合には、 全体として「強」と評価されることがあります。
たとえば、
- 強い叱責を受けた
- 業務量が増えて残業が増えた
- 配置転換で業務負担が増えた
- ノルマ未達で強く責任を問われた
- 相談できる人がいない状態で業務を続けた
といったケースです。
「中だから無理」と考える必要はありません。 むしろ、メンタル労災では「中」が複数重なっているケースが少なくありません。
弱:通常の範囲と見られやすいレベル
「弱」は、制度上は強い心理的負荷とまでは評価されにくいものです。
たとえば、
- 通常想定される範囲の注意や指導
- 一時的な業務の忙しさ
- 軽い人間関係のトラブル
- 短期間で解消した業務上の不満
などです。
ただし、本人がつらくなかったという意味ではありません。 労災の判断では、つらさの有無と、制度上「強」と評価されるかは分けて考える必要があります。
一番大事なのは「組み合わせ」で見ること
パワハラ・メンタル労災で特に大切なのは、 一つの出来事だけで判断しないことです。
たとえば、次のようなケースを考えてみます。
- 上司から強い叱責が続いていた
- 同時に、業務量が増えて残業も増えていた
- 相談できる同僚がおらず、孤立していた
- その後、不眠や動悸が出て通院に至った
一つひとつを見れば「中」に見える出来事でも、 全体として見ると、かなり強い心理的負荷になっている場合があります。
労災では、複数の出来事が関連している場合には、 その全体を一つの流れとして評価する考え方があります。
そのため、
- パワハラだけ
- 残業時間だけ
- 配置転換だけ
と切り分けるのではなく、 「その人が発病に至るまでに、何が重なっていたのか」を時系列で整理することが重要です。
パワハラの場合、「強」と評価されやすいポイント
パワハラの場合、単に「上司が厳しかった」というだけでは足りません。
次のような点があると、心理的負荷が強く見られやすくなります。
- 人格否定に近い言葉がある
- 叱責が一度ではなく繰り返されている
- みんなの前で恥をかかされている
- 無視・孤立・仲間外しがある
- 退職を迫るような言動がある
- 業務量や責任が不自然に重くなっている
- 会社や上司に相談しても改善されていない
特に重要なのは、「継続性」と「支援のなさ」です。
一度の強い叱責だけでなく、 何度も繰り返され、しかも周囲から助けがない状態が続くと、 心理的負荷は強く評価されやすくなります。
長時間労働の場合、「強」と見られやすい目安
長時間労働も、精神障害の労災では重要な要素です。
たとえば、次のような時間外労働は強い心理的負荷として評価される可能性があります。
- 発病直前1か月に、おおむね160時間以上の時間外労働
- 発病直前3週間に、おおむね120時間以上の時間外労働
- 発病直前の連続2か月に、1か月あたりおおむね120時間以上の時間外労働
- 発病直前の連続3か月に、1か月あたりおおむね100時間以上の時間外労働
これらの時間数は目安であり、この時間を超えていないと絶対に認められない、という意味ではありません。
また、時間外労働がこの目安に達していなくても、 パワハラ・配置転換・孤立・責任の増加などと重なっている場合には、 全体として強く評価されることがあります。
時間だけでなく、 業務の密度、勤務間インターバル、休日の有無、職場の支援の有無も重要です。
よくある誤解
「つらい=強」ではない
本人のつらさはもちろん大切です。 ただ、労災の審査では、客観的に見てどれくらい強い出来事だったかが問われます。
そのため、つらさをそのまま訴えるだけでなく、 「いつ、誰から、何をされたのか」 「その後どうなったのか」 を整理する必要があります。
「証拠がないと絶対無理」ではない
録音や明確な証拠がないと、すべて無理というわけではありません。
LINE、メール、メモ、日記、勤務記録、通院時の記録など、 あとから整理できる材料が見つかることもあります。
大切なのは、今あるものを消さずに残し、時系列で整理することです。
「会社に言ってからでないと相談できない」わけではない
会社に言う前に相談しても大丈夫です。
むしろ、会社に伝える前に、自分の状況がどう整理できるのかを確認しておくことで、 その後の動き方を決めやすくなります。
こもれび社労士事務所では、無断で会社や労基署へ連絡することはありません。
自分のケースを考えるときのチェックポイント
「自分のケースは強なのか、中なのか分からない」という場合は、 まず次の点を整理してみてください。
- どんな出来事があったか
- それはいつ頃から始まったか
- 一度だけか、繰り返されていたか
- 誰から、どのような言葉や対応を受けたか
- その後、眠れない・動悸・涙が出る・出勤できないなどの症状が出たか
- 心療内科・精神科を受診しているか
- メール・LINE・勤怠記録・メモなどが残っているか
完璧に整理できていなくても大丈夫です。 むしろ、最初から整理できている方は多くありません。
大切なのは、今ある情報から「労災として見たときに、どこがポイントになりそうか」を確認することです。
こもれび社労士事務所でできること
こもれび社労士事務所では、パワハラ・メンタル不調による労災申請について、 個人の方からの相談を中心に対応しています。
「制度のことまで考える余裕がない」という方と一緒に、 まずは今の状態を整理することを大事にしています。
- 心理的負荷の「強・中・弱」の見立て整理
- 出来事の時系列整理
- 証拠資料の整理
- 申立書・別紙資料の構成サポート
- 会社に言う前の進め方の相談
元・JR東日本グループの労災担当として、会社側の見方も踏まえながら、 本人申請の視点で整理をお手伝いします。
無料相談の流れ
-
STEP1:LINEでメッセージ
今の状況を、短文・箇条書き・スクショなどで送っていただきます。 -
STEP2:こちらから質問・確認
労災として整理できる可能性や、強・中・弱で見たときのポイントを簡単に確認します。 -
STEP3:必要に応じてサポートをご案内
ご希望がある場合のみ、書類作成サポートなどをご案内します。強制ではありません。
無料相談の段階で、こちらから一方的に手続きを進めることはありません。
まとめ|「強かどうか」より、まずは整理することが大切です
精神障害の労災認定では、心理的負荷の「強・中・弱」が重要になります。
ただし、自分だけで「これは強だ」「これは弱だ」と判断するのは簡単ではありません。
特に、パワハラ・長時間労働・配置転換・孤立などが重なっている場合は、 一つひとつを切り離すのではなく、全体の流れとして整理することが大切です。
実際の認定率や、最近の通るケースの傾向については、こちらの記事でもくわしく解説しています。
「これ、労災になるのか分からない」
その段階でも大丈夫です。 今の状況を整理することで、次に何をすればよいかが見えてくることがあります。
パワハラ・メンタル不調の労災申請でお悩みの方へ
会社に言う前でも大丈夫です。
今の状況をLINEで送っていただければ、心理的負荷の見方や、労災として整理できる可能性をお返しします。
短文・箇条書き・スクショだけでも構いません。
こもれび社労士事務所
社会保険労務士 近藤明久
元・JR東日本グループ労災担当
全国対応(LINE・オンライン)/新潟の社労士が直接対応
※本記事は、厚生労働省の精神障害の労災認定に関する公表資料をもとに、一般的な考え方を整理したものです。個別の見通しは、具体的な事情・資料・診断内容等によって異なります。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

次の一歩を、ここから選べます
迷っていても大丈夫です。いちばん負担の少ない方法からでOK。
※ 個人のご相談(労災・障害年金・後遺障害)/全国対応(LINE・オンライン)
※ 「まず整理だけ」でも大丈夫です


