採用難のいま、中小企業が「人を増やす」前に考えたいこと|労務DXという選択肢

普段は、個人向けの労災申請や障害年金のご相談を中心にお受けしています。
そのため、 「企業向けのサポートはしていないのですか?」 「会社からの相談は受けていないのですか?」 とご質問いただくこともあります。
こもれび社労士事務所では、個人向けのご相談を主軸としながら、 従業員数30名以下程度の小規模事業所を中心に、 労務相談や労務DXに関するご相談もお受けしています。
この記事では、採用難や人手不足が続く中で、 中小企業が「人を増やす」前に考えたい労務DXと仕組み化について、 社労士として感じていることをお伝えします。
「人を採りたいけれど、なかなか採用できない」
「労務担当者に仕事が集中している」
「入社手続き、勤怠、給与、年末調整が毎回大変」
少人数の会社や小規模事業所では、このようなお悩みが起きやすくなります。
採用はもちろん大切です。 ただ、採用難や人手不足が続くいまは、 「人を増やす」ことだけでなく、「人手をかけずに回る仕組み」を整えること も重要です。
この記事でお伝えすること
- 採用だけでは解決しにくい中小企業の労務負担
- 紙・Excel・口頭運用が続くことで起きる問題
- 労務DXを「ツール導入」で終わらせない考え方
- 少人数の会社が、まずどこから仕組み化すればよいか
- オフィスステーションなどの労務クラウドを使うときの注意点
人手不足で困っている会社が増えています
いま、多くの中小企業で人手不足が課題になっています。
採用をしたくても応募が少ない。 採用できても、すぐに辞めてしまう。 既存の従業員に業務が集中して、さらに疲弊してしまう。
このような状況では、「人を増やせば解決する」と考えたくなります。
しかし、実際には人を増やしても、社内の仕組みが整っていなければ、 入社手続き、勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、年末調整などの負担は増えていきます。
よくある状態
- 入社手続きは紙で回している
- 勤怠はExcelや紙のタイムカードで管理している
- 給与明細を印刷して配っている
- 年末調整の書類回収が毎年大変
- 担当者しか分からない作業が多い
こうした状態のまま人が増えると、採用できたとしても、労務管理の負担がさらに重くなることがあります。
採用だけでは解決しないこともあります
採用は大切ですが、採用だけでは解決しない課題もあります。
たとえば、入社手続きのたびに同じ情報を何度も書いてもらう。 勤怠を毎月手作業で集計する。 給与明細を印刷して封入する。 年末調整の書類を紙で回収して確認する。
これらは、一つひとつは小さな作業に見えても、積み重なると大きな負担になります。
しかも、こうした作業は「担当者の経験」や「社内の暗黙のルール」に頼っていることが多く、 担当者が休んだり退職したりすると、急に回らなくなることがあります。
人を増やす前に考えたいこと
いまある業務をそのまま人に任せる前に、 「そもそも、この作業はもっと簡単にできないか」 「紙やExcelで続ける必要があるのか」 を見直すことが大切です。
実は、労務担当者に業務が集中していることがあります
少人数の会社では、労務専任の担当者がいないことも多くあります。
経理担当者が労務も兼ねている。 社長や奥様が給与や入退社の対応をしている。 店長や事務担当者が、現場業務の合間に勤怠や書類を確認している。
このような会社では、表面上は何とか回っていても、実際には特定の人に負担が集中していることがあります。
| 業務 | 負担が出やすいポイント |
|---|---|
| 入社手続き | 扶養、マイナンバー、社会保険、雇用保険など、確認事項が多い |
| 勤怠管理 | 打刻漏れ、残業集計、有給管理などを手作業で確認している |
| 給与計算 | 勤怠情報の転記、手当・控除の確認、ミスの不安がある |
| 給与明細 | 印刷、封入、配布、再発行などに手間がかかる |
| 年末調整 | 書類回収、記入漏れ確認、差し戻し対応が毎年発生する |
労務DXは、こうした業務を一気にすべて変えるものではありません。 まずは、いま一番しんどい作業を見つけるところから始めます。
人を増やす前に仕組み化できること
労務DXというと、大きな会社が高額なシステムを導入するイメージがあるかもしれません。
しかし、少人数の会社でも、次のようなところから少しずつ仕組み化できます。
- 入社手続きの情報収集をオンライン化する
- 雇用契約書や労働条件通知書の作成・管理を整える
- 勤怠データを給与計算に使いやすい形にする
- 給与明細をWeb明細にする
- 年末調整の書類回収をクラウド化する
- 従業員からの情報変更を紙ではなくオンラインで受け取る
いきなりすべてを変える必要はありません。
たとえば、まずは給与明細だけWeb化する。 次に入社手続きを整える。 その次に年末調整をクラウド化する。
このように、負担が大きいところから段階的に進める方が、社内に定着しやすくなります。
労務DXは「ツール導入」ではなく「運用整理」です
労務DXで失敗しやすいのは、ツールを入れれば自動的に楽になると思ってしまうことです。
実際には、紙やExcelで行っていた運用を、そのままクラウドに載せても、負担があまり減らないことがあります。
大切なのは、ツールを入れる前に、 「今の業務をどう整理し、どのルールを残し、どこを簡単にするか」 を考えることです。
現状再現ではなく、整理してから導入する
- 紙の申請書をそのままクラウドに置き換えるだけでは不十分なことがあります。
- 社内ルールが複雑なままだと、システム設定も複雑になります。
- 誰が、いつ、何を確認するのかを決めておくことが大切です。
- 従業員にどう案内するかまで含めて考える必要があります。
つまり、労務DXは「システムを買うこと」ではなく、 今の労務運用を見直して、少ない人手でも回る形に整えることです。
私がオフィスステーションに関心を持った理由
こもれび社労士事務所では、現在、個人向けの労災申請や障害年金のご相談を中心にお受けしています。
一方で、これまで人材業界や企業の労務実務に関わる中で感じてきたのは、 中小企業の現場では「人を採ること」だけでなく、人が増えても回る仕組みを作ることが大切だということでした。
オフィスステーションのような労務クラウドに関心を持ったのも、 単に便利なツールだからではありません。
入社手続き、給与明細、年末調整、従業員情報の管理など、 小さな会社で負担になりやすい業務を、段階的に整えやすいと感じたからです。
ただし、どの会社にも同じ形で導入すればよいとは考えていません。 会社ごとに、従業員数、担当者の状況、現在の運用、給与計算の流れが違うからです。
こもれび社労士事務所の考え方
ツールを先に決めるのではなく、 「いま一番しんどい作業は何か」 「どこから変えると社内に定着しやすいか」 を一緒に確認しながら進めることを大切にしています。
少人数の会社でも、できることから始めればよい
労務DXは、従業員が何十人、何百人もいる会社だけのものではありません。
従業員が数名の会社でも、入退社、勤怠、給与明細、年末調整は発生します。
むしろ少人数の会社ほど、担当者が一人で多くの業務を抱えていることがあり、 仕組み化の効果が出やすいこともあります。
ただし、最初から大きく変えようとすると、社内に負担がかかります。
そのため、まずは次のような順番で考えるのがおすすめです。
始めやすい順番の例
- 給与明細のWeb化
- 入社手続きのオンライン化
- 従業員情報の管理
- 年末調整のクラウド化
- 勤怠管理との連携
会社によって、最初に取り組むべきところは違います。 「一番しんどい作業」から始めることが、無理なく続けるポイントです。
こもれび社労士事務所でお手伝いできること
こもれび社労士事務所では、30名以下程度の小規模事業所を中心に、 労務クラウドの導入や、労務手続きの整理についてご相談をお受けしています。
対応できる内容は、たとえば次のようなものです。
- 入社手続きのオンライン化
- 給与明細のWeb化
- 年末調整のクラウド化
- 従業員情報の整理
- 労務手続きの流れの見直し
- オフィスステーション導入前の相談
- 導入後の運用定着サポート
大規模な人事制度設計や、大企業向けの複雑なシステム導入ではなく、 少人数の会社が、まず現実的に楽になるところから整える ことを重視しています。
オフィスステーション導入支援について
こもれび社労士事務所では、労務クラウド「オフィスステーション」を活用した導入支援も行っています。
こもれび社労士事務所では、 労務クラウド「オフィスステーション」を活用した導入支援も行っています。
オフィスステーションは、入社手続き、従業員情報管理、給与明細、年末調整など、 労務業務を段階的にクラウド化しやすいサービスです。
ただし、重要なのは「オフィスステーションを入れること」そのものではありません。
どの業務から始めるか、現在の運用をどこまで変えるか、従業員にどう案内するかまで含めて、 社内に定着する形で進めることが大切です。
導入を検討するときの確認ポイント
- 従業員数は何名か
- 今、一番時間がかかっている労務作業は何か
- 給与計算や勤怠管理は、現在どのように行っているか
- 紙で残したい業務と、クラウド化したい業務を分けられるか
- 社内で誰が確認者になるか
これらを確認したうえで、無理のない導入順序を一緒に考えていきます。
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まとめ
採用難や人手不足の時代には、「人を増やす」ことだけでなく、 今いる人で無理なく回る仕組みを整えることも大切です。
入社手続き、勤怠、給与明細、年末調整などの労務業務は、 紙やExcelのままでも何とか回ることがあります。 しかし、その負担が特定の担当者に集中している場合は、早めに見直す意味があります。
労務DXは、ツール導入そのものが目的ではありません。 自社の運用を整理し、少ない人手でも回る形に整えることが目的です。
ご相談について
「まず何からクラウド化すればよいか分からない」
「入社手続きや給与明細だけでも、毎月の時間を減らしたい」
「オフィスステーションを検討しているが、自社に合うか分からない」
そのような段階でも大丈夫です。
従業員数や、今いちばん負担になっている作業をお知らせいただければ、無理のない進め方を一緒に整理します。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です
「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
※ 個人のご相談(労災・後遺障害・障害年金)/全国対応(LINE・オンライン)
※ 「まず整理だけ」でも大丈夫です


