「カルテがない…」20歳前傷病の障害年金でよくある相談と対処法

カルテがなくても、20歳前傷病の初診日を整理できる場合があります
「子どもの頃に通院していたけれど、カルテが残っていない。」 「初診日が分からず、20歳前傷病として申請できるか不安。」 このようなお悩みは、障害年金のご相談で少なくありません。
とくに、発達障害、ASD、ADHD、うつ病、双極性障害、トゥレット症候群などで長く通院が続いている場合、最初の受診がかなり前になることもあり、初診日の確認が難しくなることがあります。
しかし、カルテが見つからないからといって、すぐに申請できないと決めつける必要はありません。手元の資料や受診歴を整理することで、申請の方向性を検討できる場合があります。
障害年金の20歳前傷病とは
20歳前傷病とは、原則として、20歳になる前の年金制度に加入していない期間に初診日がある病気やけがによる障害について、障害基礎年金を請求する仕組みです。
この場合、保険料の納付要件は問われません。ただし、20歳前に初診日があっても、その時点で厚生年金に加入していた場合は、障害厚生年金として要件を確認することになります。
20歳前傷病の相談が多い理由
当事務所では、障害年金のご相談の中でも、20歳前傷病に関するご相談を多くいただいています。
特に多いのが、中学生や高校生の頃から通院しているものの当時のカルテが残っていないケース、複数の医療機関を受診していてどこが初診日になるのか整理しにくいケース、当時と現在で診断名が異なるケースです。
20歳前傷病の申請では、今の診断名だけでなく、最初にどのような症状があり、どのような経過で受診につながったのかを時系列で整理することが重要になります。
20歳前傷病でよくある初診日の問題
最初の病院のカルテが残っていない
子どもの頃に通っていた病院へ問い合わせても、「カルテは残っていません」と言われることがあります。診療録の法定保存期間は5年とされていますが、医療機関によってはそれ以上保管されている場合もあるため、まずは確認してみることが大切です。
また、カルテそのものがなくても、受付簿や入院記録などの別の記録が残っていて、それをもとに受診状況等証明書を作成してもらえる場合があります。
初診日がはっきりしない
正確な日付までは思い出せず、「中学2年頃」「高校に入る前後だったと思う」といったご相談もよくあります。
このような場合には、受診した可能性のある医療機関を時系列で並べ、お薬手帳、診察券、領収書、紹介状などに受診時期を確認できる記載がないかを探していきます。
複数の医療機関を受診している
精神科や心療内科の転院が複数回ある場合、最初の病院、紹介先の病院、現在の病院のどこを初診と考えるのかが問題になります。初診日を確認する際は、提出された複数資料の整合性や医学的判断を総合的に勘案する取扱いが示されています。
当時と現在で診断名が異なる
子どもの頃は別の診断名や症状として扱われ、現在は発達障害や双極性障害など別の診断名が付いていることもあります。このような場合も、診断名だけで判断するのではなく、最初の症状、受診のきっかけ、その後の経過を丁寧に整理することが大切です。
カルテがない場合に確認したい資料
初診日の医証が取れない場合、日本年金機構の案内では、診察券、入院記録、医療機関や薬局の領収書、障害者手帳申請時の診断書、健康保険の給付記録などの参考資料が挙げられています。
実際には、次のような資料が手がかりになることがあります。
- お薬手帳
- 紹介状や診療情報提供書
- 障害者手帳申請時の診断書
- 学校や学生相談室の記録
- 児童相談所や入所施設の記録
- 医療費の領収書
- 健康保険の給付記録
- 当時の受診状況を知る方による第三者証明
一つの資料だけでは初診日を確認できない場合でも、複数の資料を組み合わせることで、申請の方向性を検討できることがあります。
受診状況等証明書が取れない場合
初診の病院で受診状況等証明書が取れない場合には、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成し、状況に応じて2番目以降の医療機関の受診状況等証明書や診断書、第三者証明などを用意して進める方法があります。
20歳前に初診日があるケースでは、2番目以降の医療機関の受診記録などから、障害認定日が20歳到達日前になることを確認でき、かつ厚生年金の加入状況など所定の条件を満たす場合には、最初の医療機関の証明を取得できなくても、申し立てた初診日が認められる取扱いがあります。
20歳前の初診日が重要な理由
初診日の整理によって、20歳前傷病として扱われるか、別の請求方法を検討することになるかが変わる場合があります。
また、20歳前傷病でも、障害認定日時点の状態を確認できる診断書や資料がそろう場合には、障害認定日による請求を検討できることがあります。一方で、当時の医療記録が残っていない場合や、認定日前後の状態を確認できる資料が十分でない場合には、遡っての請求が難しくなることもあります。
そのため、初診日だけでなく、障害認定日前後の受診歴や生活状況を確認できる資料があるかどうかも大切です。
当事務所が重視していること
当事務所では、診断名だけを見るのではなく、最初の症状、受診歴、服薬歴、学校生活、就労状況などを時系列で整理することを重視しています。
「カルテがないから申請できない」と決めつける前に、まずは今ある資料から受診歴を整理していくことが大切です。閉院した病院であっても保管先を確認できることがあり、古いカルテや関連資料が見つかる場合もあります。
初診日が分からない段階でもご相談いただけます
「初診日が分からない」「昔のカルテが残っていない」という段階でも、ご相談いただけます。
初診日は、資料の組み合わせや整理の仕方によって判断の方向性が変わるため、早い段階で整理しておくことが大切です。
こもれび社労士事務所では、初診日が分からない段階から、受診歴や手元の資料を一つずつ確認し、どのような申請方法が考えられるかを整理しています。
よろしければ、
・現在の診断名
・最初に受診した時期(だいたいで大丈夫です)
・現在通院している病院
・お手元にある資料(お薬手帳・紹介状・診断書など)
を、分かる範囲でLINEからお送りください。
内容を確認したうえで、現在分かっていることや、次に確認したい資料などをご案内いたします。
※医療機関や年金事務所へ無断で連絡することはありません。
※ご相談内容を確認したうえで、必要な整理やサポートをご案内します。
参考
日本年金機構の案内では、初診日の証明が難しい場合の参考資料や、20歳前の初診日がある場合の取扱いが案内されています。 日本年金機構「障害年金の初診日証明書類のご案内」(PDF)
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です
「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
※ 個人のご相談(労災・後遺障害・障害年金)/全国対応(LINE・オンライン)
※ 「まず整理だけ」でも大丈夫です

