労災様式第8号|休業開始が年次有給休暇だった場合の待期3日と「賃金を受けなかった日数」の考え方

労災の休業補償給付支給請求書(様式第8号)で、「休業開始が年次有給休暇だった場合に待期3日や⑳『賃金を受けなかった日数』をどう考えるか」について、社労士としての実務経験をもとに整理します。

この記事のポイント
- 年次有給休暇でも労務不能なら待期3日に含まれることがある
- ⑲は労働できなかった期間を記載する
- ⑳は賃金を受けなかった日数を記載する
- 実務では担当労働基準監督署の案内に従って整理することもある
休業開始が年次有給休暇だった場合、待期3日に含まれるのか
労災の休業補償給付では、休業の最初の3日間は待期期間となり、休業補償給付の支給対象にはなりません。ただし、待期3日が「賃金が支払われていない日」である必要はなく、業務上の傷病により労務不能であれば、公休日や年次有給休暇の日も待期としてカウントされます。
そのため、休業開始の3日間が年次有給休暇であっても、医師の証明や勤務状況から、その期間が業務上の傷病による労務不能期間だと確認できれば、待期3日として整理することが可能です。
様式第8号の⑲と⑳は意味が違います
ここで実務上迷いやすいのが、様式第8号の⑲と⑳です。
⑲「療養のため労働できなかった期間」
業務上の傷病により労務不能だった期間を記載する欄です。年次有給休暇か無給欠勤かにかかわらず、労務不能期間として整理します。
⑳「賃金を受けなかった日数」
⑲の期間のうち、実際に賃金の支給を受けなかった日数を記載する欄です。
そのため、年次有給休暇を取得して賃金が支払われている日については、⑲の労務不能期間には含めても、⑳「賃金を受けなかった日数」には含めず、賃金不支給の日数のみをカウントするのが基本的な整理になります。
ただし、実務では担当する労働基準監督署から異なる案内を受けることもあるため、最終的には提出先の案内に従って整理することが大切です。
労働基準監督署によって案内が異なることもあります
ただし、実務ではこの点について、労働基準監督署から異なる案内を受けることがあります。
私自身、過去にある労働基準監督署から、「休業開始が年次有給休暇であっても、待期3日については⑳『賃金を受けなかった日数』に含めて記載してください」と案内を受けたことがあります。
一方で、別の案件では、年次有給休暇期間を除き、実際に賃金の支給を受けなかった日数で整理する形となりました。
このように、様式第8号の記載方法は、制度上の考え方だけでなく、実務では担当する労働基準監督署の確認や補正の案内を踏まえて調整されることがあります。迷った場合は、自己判断で修正せず、提出前に担当署へ確認しておくと安心です。
年休で待期3日を整理する場合に添付しておきたい資料
休業開始の3日間が年次有給休暇だった場合には、「賃金が出ているから待期にならない」と誤解されないように、年次有給休暇であることや、その期間も労務不能だったことが分かる資料を整理しておくと安心です。
- 出勤簿・勤怠表
- 賃金台帳・給与明細
- 年次有給休暇の取得状況が分かる資料
- 年次有給休暇の取得申請書や社内システムの承認画面など
- 医師の証明欄に記載された労務不能期間
- 休業開始日からの経過を整理したメモ
これらを確認できるようにしておくことで、年次有給休暇を取得していた日であっても、業務上の傷病による労務不能期間として整理しやすくなります。
休業開始が年次有給休暇だった場合の記入例
例えば、次のようなケースを考えます。
3月25日〜3月27日:年次有給休暇
3月28日以降:無給で休業
医師の証明:3月25日から労務不能
この場合、⑲「療養のため労働できなかった期間」には、3月25日からの労務不能期間を記載します。
一方、⑳「賃金を受けなかった日数」については、年次有給休暇により賃金が支払われている3月25日〜3月27日を除き、無給となった3月28日以降の日数で整理する方法が考えられます。
ただし、前述のとおり、担当する労働基準監督署から別の記載方法を案内されることもあるため、迷う場合は提出前に確認しておくことがおすすめです。
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この記事のまとめ
- 年次有給休暇でも、業務上の傷病による労務不能であれば待期3日として整理されることがあります。
- ⑲「療養のため労働できなかった期間」と⑳「賃金を受けなかった日数」は同じ意味ではありません。
- 迷った場合は、担当する労働基準監督署へ確認したうえで提出することをおすすめします。
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