初診日の証明3パターン|審査でつまずかないためのチェックリストと文例

「最初に受診した病院のカルテが残っていない」
「病院が閉院していて、受診状況等証明書を取れない」
「初診日を証明できないので、障害年金を申請できないのではないか」
障害年金のご相談では、このようなお悩みをよく伺います。
結論からいうと、初診時の医療機関から証明を取得できないという理由だけで、直ちに障害年金を請求できないと決まるわけではありません。
受診状況等証明書、お薬手帳や紹介状などの参考資料、当時の受診状況を知る方による第三者証明など、状況に応じた方法を検討できることがあります。
この記事のポイント
- 障害年金で初診日の証明が重要な理由
- 初診日を確認する3つの基本的な方法
- 受診状況等証明書が取れない場合の進め方
- カルテがない場合に確認したい参考資料
- 第三者証明を検討する際の注意点
- 病院への問い合わせ文例と提出前チェックリスト
障害年金の初診日とは
障害年金における初診日とは、原則として、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
現在の診断名が付いた日や、現在の病院を初めて受診した日が、必ず初診日になるわけではありません。
例えば、現在はうつ病や発達障害と診断されていても、それ以前に不眠、不安、強迫症状、頭痛、腹痛などで別の医療機関を受診していた場合には、その受診との関係を確認する必要があります。
どの受診が障害年金上の初診日になるかは、診断名だけではなく、当時の症状、診療内容、その後の経過などを踏まえて整理します。
なぜ初診日の証明が重要なのか
初診日は、障害年金の手続きにおける単なる日付ではありません。
初診日によって、主に次の点が変わる可能性があります。
- 障害基礎年金と障害厚生年金のどちらを検討するか
- 保険料納付要件を満たしているか
- 20歳前傷病として扱われる可能性があるか
- 障害認定日がいつになるか
- 障害認定日による請求を検討できるか
初診日を自己判断で決めて書類を集め始めると、後から別の受診歴が見つかり、請求方針を整理し直すことがあります。
まずは医療機関を時系列で並べ、どこが初診日となる可能性があるかを確認してから、証明書類を依頼することが大切です。
初診日を証明する3つの基本的な方法
初診日の確認方法は、状況に応じておおむね次の3つに整理できます。
1.初診時の医療機関による証明
受診状況等証明書や、初診時の医療機関が作成する障害年金用診断書によって確認する方法です。
2.受診状況等証明書が取れない場合の申立書と参考資料
「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成し、2番目以降の医療機関の証明や、お薬手帳、紹介状、診察券などの資料を組み合わせる方法です。
3.第三者証明と参考資料
当時の受診状況を知る方による申立書と、受診時期を裏付ける参考資料などから初診日の確認を求める方法です。
どの方法を選ぶかは自由に決めるものではなく、カルテの保存状況、初診時の年齢、年金加入歴、2番目以降の受診記録、手元の資料などによって変わります。
初診時の医療機関による証明
初診時の医療機関と、現在の診断書を作成する医療機関が異なる場合、通常は初診時の医療機関へ受診状況等証明書の作成を依頼します。
受診状況等証明書には、主に次のような内容が記載されます。
- 初診年月日
- 傷病名
- 発病から初診までの経過
- 初診から終診までの治療内容や経過
- 前医からの紹介の有無
- 記載の根拠となった資料
書類が届いたら、初診日だけを見るのではなく、傷病名、前医の記載、受診経過なども確認します。
受診状況等証明書で確認したいポイント
- 本人が考えていた初診日と一致しているか
- 「前医受診」や「以前○○病院を受診」などの記載がないか
- 現在の傷病につながる症状や経過が記載されているか
- 本人の申立てだけを根拠に記載されていないか
- 医療機関の記録に基づいて作成されているか
証明書が作成されたからといって、すぐに提出するのではなく、ほかの医療機関の記録や病歴・就労状況等申立書と矛盾がないかを確認しておくと安心です。
病院への問い合わせ文例
医療機関へ電話や文書で問い合わせる際は、次のように伝えると確認事項が整理しやすくなります。
電話での問い合わせ例
障害年金の申請を検討しており、以前そちらを受診していた時期について確認したく、お電話しました。
氏名は【氏名】、生年月日は【生年月日】です。
【平成・令和○年頃】に【診療科】を受診していたと思います。
当時のカルテや受診記録が残っているか、また、受診状況等証明書を作成していただけるか確認をお願いいたします。
あわせて確認したいこと
- カルテや受診記録が残っているか
- 受診状況等証明書を作成できるか
- 郵送で依頼できるか
- 必要な申請書や本人確認書類
- 手数料と支払方法
- 完成までのおおよその期間
- カルテがない場合、受付簿や入院記録などが残っていないか
病院によって、窓口での申請、郵送申請、本人の受診が必要など、取扱いが異なる場合があります。最初から書類を送らず、事前に依頼方法を確認しておくと行き違いを防げます。
受診状況等証明書が取れない場合
初診時の医療機関から証明を取得できない場合には、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成する方法があります。
取得できない理由としては、次のようなケースがあります。
- カルテが保存されていない
- 医療機関が閉院している
- 医療機関名や所在地を特定できない
- 受診記録を確認できない
- 災害などにより記録が失われている
この申立書には、受診状況等証明書を添付できない理由や、初診時の医療機関、受診期間などを記載します。
「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出するだけで、申立てた初診日が当然に認められるわけではありません。
可能な範囲で、2番目以降の医療機関の証明や、当時の受診を確認できる参考資料を集めることが大切です。
2番目以降の医療機関の記録を確認する
最初の病院のカルテがなくても、転院先のカルテや受診状況等証明書に、前医の名称、受診時期、紹介の経緯などが記載されていることがあります。
次の病院へ初診時の資料を確認する際は、紹介状の控えや、初診時の問診票、診療情報提供書の内容が残っていないかも確認します。
本人が請求時に説明した内容ではなく、過去の時点ですでに医療記録へ書かれていた内容は、初診日を整理するうえで重要な資料となる可能性があります。
カルテがない場合に確認したい参考資料
初診時の医療機関による証明が取れない場合には、次のような資料が手がかりになることがあります。
- 診察券
- お薬手帳
- 医療機関や薬局の領収書
- 紹介状や診療情報提供書
- 入院記録
- 健康保険の給付記録
- 障害者手帳申請時の診断書
- 生命保険や民間保険の提出資料
- 学校や勤務先へ提出した診断書
- 学校、学生相談室、児童相談所、施設などの記録
- 当時の日記、手帳、家計簿など
- 2番目以降の医療機関のカルテや受診状況等証明書
一つの資料だけで初診日を確認できない場合でも、複数資料の日付や内容が一致することで、受診時期を整理しやすくなることがあります。
ただし、資料をたくさん提出すればよいわけではありません。申立てた初診日との関係が分かる資料を選び、時系列や内容の整合性を確認することが大切です。
第三者証明を使うときの注意点
初診時の医療機関による証明を取得できない場合には、当時の受診状況を知る方による「初診日に関する第三者からの申立書」を検討することがあります。
第三者証明には、主に次のような内容を記載します。
- 証明する方の氏名、住所、連絡先
- 本人との関係
- 医療機関名、診療科、受診時期
- どのように受診を知ったのか
- 当時の症状や本人の様子
- 受診に同行した、送迎した、本人から当時聞いたなどの具体的事情
請求の直前に本人から聞いた内容を、そのまま第三者が証明すればよいというものではありません。いつ、誰から、どのような状況で受診について知ったのかが確認されます。
第三者証明は、誰にでも依頼できるものではありません。請求者の三親等内の親族は、原則として第三者証明を行うことができないため、証明者との関係も事前に確認する必要があります。
また、20歳前の初診日と、年金制度加入中の初診日とでは取扱いが異なる場合があります。第三者証明だけで進められるかを自己判断せず、年金事務所などへ必要書類を確認してから準備しましょう。
第三者証明を依頼するときの文例
障害年金の申請で、以前の受診状況を確認する必要があり、ご相談しました。
私が【平成・令和○年頃】に【医療機関名】を受診していたことについて、当時の状況をご存じの範囲で書類へ記載していただけないかと思っています。
記憶にないことを推測して書いていただく必要はありません。
当時、受診に同行したこと、病院へ通っていると聞いたこと、症状の様子など、実際にご存じの範囲でご協力いただけましたら幸いです。
証明をお願いする際は、申請者が用意した文章をそのまま署名してもらうのではなく、証明する方自身の記憶や経験に基づいて記載してもらうことが大切です。
病院が閉院している場合の確認方法
初診時の病院が閉院していても、カルテや診療記録が別の医療機関や管理者へ引き継がれている場合があります。
次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 病院名、所在地、院長名などを確認する
- 転院先や当時の主治医へ保管先を確認する
- 病院があった地域を管轄する保健所へ問い合わせる
- 地域の医師会へ確認する
- 閉院時の案内やウェブサイトの記録を確認する
閉院しているというだけで、最初からカルテがないと決めつけず、保管先や承継先がないかを一度確認することをおすすめします。
20歳前傷病では特別な取扱いが検討される場合がある
20歳前に初診日があるケースでは、2番目以降の医療機関の受診記録などから、障害認定日が20歳到達日前になることを確認でき、厚生年金の加入状況など所定の条件を満たす場合には、最初の医療機関の証明を追加で求めず、申し立てた初診日を確認する取扱いがあります。
ただし、20歳前の受診であれば必ずこの取扱いになるわけではありません。2番目以降の受診日、障害認定日、厚生年金加入歴などを個別に確認する必要があります。
20歳前傷病でカルテがない場合については、次の記事でも詳しく解説しています。
「カルテがない…」20歳前傷病の障害年金でよくある相談と対処法
初診日の証明でよくあるつまずき
現在の病院を初診だと思っていた
現在の診断名が付いた病院より前に、関連する症状で別の医療機関を受診していることがあります。精神科や心療内科だけでなく、小児科、内科、脳神経内科、整形外科などの受診歴も含めて確認します。
証明書にさらに前の病院が書かれていた
受診状況等証明書に「前医から紹介」「以前○○病院を受診」などの記載がある場合、さらに前の医療機関が初診日候補になる可能性があります。
診断名が違うため別の病気だと思っていた
当時と現在で診断名が異なっていても、症状や診療経過によっては関連を確認する必要があります。一方、診断名が似ているからといって、当然に同じ傷病として扱われるわけでもありません。
初診日の証明を進める順番
- 現在までに受診した医療機関を古い順に並べる
- 最初にどのような症状で受診したかを確認する
- 初診日候補の年金加入状況を確認する
- 初診時の医療機関へカルテや受診記録の有無を問い合わせる
- 受診状況等証明書を作成できるか確認する
- 取得できない場合は、その理由を明確にする
- 2番目以降の医療機関や手元の資料を確認する
- 必要に応じて第三者証明を検討する
- 資料全体の時系列と矛盾を確認する
提出前チェックリスト
- すべての受診医療機関を古い順に確認した
- 初診日候補の年金加入状況を確認した
- 初診時のカルテや受診記録の有無を確認した
- 受診状況等証明書の記載内容を確認した
- さらに前の医療機関についての記載がないか確認した
- 証明書を取得できない理由を確認した
- 2番目以降の医療機関の資料を確認した
- お薬手帳、診察券、紹介状などを探した
- 第三者証明を使用できる条件を確認した
- 病歴・就労状況等申立書と日付が一致している
- 診断書や紹介状との間に大きな矛盾がない
- 提出する資料のコピーやPDFを保管した
まとめ:初診日を証明できないときは、残っている資料から順番に整理する
初診時のカルテが残っていない、病院が閉院している、受診状況等証明書を作成してもらえないという場合でも、すぐに障害年金を諦める必要はありません。
初診日の確認方法は、主に次の3つです。
- 初診時の医療機関による受診状況等証明書など
- 添付できない申立書と2番目以降の医療記録・参考資料
- 第三者証明と参考資料
ただし、どの方法が使えるかは、初診時の年齢、年金加入歴、受診経過、残っている資料などによって異なります。
まずは受診歴を時系列で並べ、初診時の医療機関、2番目以降の医療機関、手元の資料を一つずつ確認していきましょう。
初診日の証明に迷っている方へ
「どの病院が初診になるのか分からない」「カルテがなく、何を集めればよいか分からない」という段階でも、ご相談いただけます。
こもれび社労士事務所では、受診歴やお薬手帳、紹介状、診断書などを時系列で確認し、初診日の証明としてどのような資料を検討できるかを整理しています。
よろしければ、
・現在の診断名
・最初に受診した時期
・受診した医療機関
・カルテや受診状況等証明書の取得状況
・お手元にある資料
を、分かる範囲でLINEからお送りください。
内容を確認したうえで、次に確認したい医療機関や資料、必要に応じたサポートをご案内いたします。
※医療機関や年金事務所へ無断で連絡することはありません。
※料金やサポート内容は、ご依頼前にご案内します。
日本年金機構の案内
初診時の医療機関による証明が難しい場合の書類や参考資料については、日本年金機構の案内もご確認ください。
※この記事は、障害年金の初診日証明に関する一般的な情報をお伝えするものです。実際に必要となる資料や初診日の判断は、受診経過、年金加入歴、医療記録などによって異なります。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です
「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
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※ 「まず整理だけ」でも大丈夫です


