会社が弁護士をつけたら労災申請は不利?パワハラ・メンタル不調で不安な方へ

パワハラ・メンタル不調の労災申請
会社が弁護士をつけたら労災申請は不利?パワハラ・メンタル不調で不安な方へ
会社が弁護士をつけたと聞くと、 「もう労災は認められないのでは?」 「自分一人では難しいのでは?」 と不安になる方は少なくありません。
ですが、会社が弁護士をつけたこと自体で、労災申請が不利と決まるわけではありません。
労働基準監督署は、会社側の説明だけでなく、本人の申告内容、医療資料、勤務状況、出来事の経過などを踏まえて判断します。
この記事では、パワハラやメンタル不調による労災申請で、会社が弁護士をつけた場合に何が起きやすいのか、どのように考えればよいのかをわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- 会社が弁護士をつけても、それだけで労災申請が不利とはいえない理由
- 会社側の反論が出てきたときに、申請する側が整理しておきたいポイント
- 不安が強いときでも、短文・箇条書き・スクショから準備を始めてよいこと
結論:会社が弁護士をつけても、それだけで不利とはいえません
労災が認められるかどうかは、会社に弁護士がいるかどうかではなく、業務による負荷があったのか、出来事と体調悪化に関連があるのか、医療資料や経過から説明できるのかといった点で判断されます。
厚生労働省の精神障害の労災認定基準でも、業務による心理的負荷の内容や、悪化前おおむね6か月以内の出来事などが判断の対象になります。
つまり、重要なのは「会社側が強そうに見えるか」ではなく、申請する側の事情や資料が落ち着いて整理されているかどうかです。
会社が弁護士をつけたとき、実際に起こりやすいこと
会社が弁護士をつけた場合、会社側の主張が以前より整理されて提出されることがあります。 たとえば、「そのような発言はしていない」「業務量は過重ではなかった」「私傷病ではないか」といった反論が、文書としてまとめられることがあります。
そのため、申請する側も「つらかった」「納得できない」という気持ちだけでなく、いつ、どこで、誰から、何があり、その後どう体調が悪化したのかを、時系列で示せる状態にしておくことが大切です。
私自身、実際のご相談の中で「会社が弁護士をつけたと聞いて怖くなった」というお話を何度も伺っています。 それでも、出来事や資料を一緒に整理していくことで、「思っていたよりも説明できることが多かった」とお話しされる方が少なくありません。
申請する側が整理しておきたい4つのポイント
1.出来事を時系列で整理する
「いつ頃つらくなったか」だけではなく、いつ、誰から、どのような言動や業務指示があったのかを、できるだけ順番にまとめます。
2.証拠を集める
メール、LINE、チャット、録音、勤怠記録、業務日報、診断書、受診歴など、後から確認できる資料はできるだけ残します。 断片的でも、複数を組み合わせることで全体の流れが見えやすくなります。
3.体調悪化の流れを具体的にする
不眠、動悸、食欲低下、出勤困難、受診開始、休職、退職など、体調の変化がどのように進んだのかを整理します。 出来事と症状の流れがつながると、説明がしやすくなります。
4.会社の言い分に感情だけで返さない
会社が反論してきても、「全部違います」と返すだけでは足りません。 どの点が事実と違うのか、何の資料で補えるのかを一つずつ整理していくことが大切です。
会社が非協力的でも、労災申請はできます
労災保険の請求は、事業主の証明がなければ絶対に進められないものではありません。 厚生労働省も、事業主や医療機関の証明を受けるのが困難な場合でも、請求書を受け付けると案内しています。
そのため、会社が弁護士をつけている場合や、会社が協力的でない場合でも、「もう出せない」と決めつける必要はありません。 まずは、提出に向けて何を整理すればよいかを考えることが大切です。
特にメンタル不調の労災では、整理の仕方が重要です
精神障害の労災認定では、発病前おおむね6か月の間にあった出来事や、業務による強い心理的負荷の有無などが重視されます。
2023年の認定基準改正では、カスタマーハラスメントの追加や、パワーハラスメント6類型すべての具体例明記など、評価表の見直しも行われました。
そのため、メンタル不調の案件ほど、「とてもつらかった」という気持ちだけでなく、評価の対象になりうる出来事として整理していくことが重要です。
このような場合は、早めに整理を始めた方が安心です
- 会社から否定的な説明をされている
- 会社の代理人弁護士から連絡や文書が来た
- パワハラの証拠が散らばっていて、まだ整理できていない
- 受診や休職の経過をうまく説明できる自信がない
- 話そうとすると苦しくなってしまい、要点をまとめにくい
こうした段階で先に整理を始めておくと、後から説明がぶれにくくなります。
会社の反論があっても、整理次第で対応しやすくなる理由
会社側に弁護士がつくと、相手の主張は整った形で出てくることがあります。 ただ、それは「本人側に勝ち目がない」という意味ではありません。
申請する側も、出来事の順番、証拠の有無、受診時期、症状の変化を落ち着いて整理していけば、労基署に伝えるべき内容は十分に形にできます。 大切なのは、急いで立派な書面を作ることではなく、まず事実関係をぶれない形で残すことです。
よくある質問
会社が弁護士をつけたら、もう労災は認められませんか?
いいえ、そのようなことはありません。 労災認定は、会社に弁護士がいるかどうかではなく、事実関係、証拠、医療資料などを踏まえて判断されます。
会社の言い分がしっかりしていると不利ですか?
会社側の主張が整理されて出てくる可能性はありますが、それだけで決まるわけではありません。 申請する側も、時系列や証拠を整理すれば対応しやすくなります。
会社が協力しなくても申請できますか?
はい、できます。 事業主や医療機関の証明が困難な場合でも、労災保険の請求書は受け付けてもらえるケースがあります。
会社に弁護士がついたと聞くと、それだけで怖くなるのは自然です
会社が弁護士をつけたと聞くと、 「もう自分では無理かもしれない」 「何を出しても否定されるのでは」 と感じる方は少なくありません。 でも、そう感じること自体は自然なことです。
すぐにきれいな文章で全部まとめようとしなくても大丈夫です。 短文、箇条書き、時系列メモ、LINEの文面、スクリーンショットだけでも、状況整理の出発点になります。
こもれび社労士事務所では、パワハラやメンタル不調による労災申請について、まずは状況整理の段階からご相談をお受けしています。 「まだ申請すると決めていない」「うまく話せる自信がない」という段階でも問題ありません。
ご相談前に整理しておきたい内容
- いつ頃から何が起きたか、わかる範囲の時系列
- 残っている資料やスクリーンショットの有無
- 受診時期、診断名、休職や退職の経過
- 会社や代理人弁護士から届いた文書の有無
まとまっていなくても大丈夫です。 まずはLINEで、短く送れるところからで構いません。
ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です
「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。
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