様式5号と7号の違いとは?どちらを使う?病院・提出先・治療費を社労士が分かりやすく解説

労災様式5号と様式7号の違い(提出先・治療費・現物給付と現金給付)

「病院から5号を持ってきてくださいと言われました」
「7号を渡されたけれど、5号との違いが分かりません」
「健康保険で3割負担してしまった分は、どう精算すればよいのでしょうか」

労災申請のご相談では、様式5号と様式7号の違いで迷われる方が少なくありません。

どちらも労災の治療費に関係する書類ですが、 病院に出すのか、労基署に出すのか治療費を立て替えるのか、立て替えないのか という大きな違いがあります。

この記事では、労災の様式5号と7号の違い、どちらを使うのか、実務で迷いやすいポイントを整理します。

この記事で分かること

  • 様式5号と7号の一番大きな違い
  • 労災指定病院ではどちらを使うのか
  • 労災指定外病院ではどちらを使うのか
  • 健康保険で3割負担してしまった場合の考え方
  • どちらを使えばよいか分からないときの確認方法
  • 会社が協力してくれない場合の注意点

まず見た目の違いを確認しましょう

様式5号と様式7号は、どちらも労災の治療費に関する書類ですが、 使う場面や提出先が異なります。

労災様式5号(療養補償給付たる療養の給付請求書)の書類画像
様式5号:労災指定病院で使う書類。原則として病院へ提出します。
労災様式7号(療養補償給付たる療養の費用請求書)の書類画像
様式7号:指定外病院や立替払いの精算で使う書類。労基署へ請求します。

まず結論:5号は「病院へ出す」、7号は「労基署へ請求する」書類です

様式5号と7号の違いを簡単にいうと、次のようになります。

項目 様式5号 様式7号
主な場面 労災指定病院で治療を受けるとき 労災指定外病院で治療費を立て替えたとき
提出先 病院へ提出(会社の証明欄があります) 会社所在地を管轄する労働基準監督署へ提出
治療費 原則として窓口負担なし いったん支払い、後から請求
給付の形 現物給付 現金給付
医師の証明 病院側で案内されることが多い 医師の証明欄を記入してもらう

難しい制度用語でいえば、 様式5号は現物給付様式7号は現金給付 のための書類です。

ただ、最初は制度用語よりも、 「5号は病院に出す」「7号はお金を返してもらうために労基署へ出す」 と理解すると分かりやすいです。

様式5号とは?労災指定病院で使う書類です

様式5号は、正式には 「療養補償給付たる療養の給付請求書」 といいます。

労災指定病院で治療を受ける場合に使用する書類です。

労災指定病院に様式5号を提出すると、 病院が労災として治療を扱い、 治療費は病院から労災保険へ請求されます。

そのため、労働者本人は原則として窓口で治療費を支払わずに済みます。 これを現物給付といいます。

様式5号のイメージ

労災指定病院で受診する

様式5号を病院へ提出する

病院が労災として処理する

原則として窓口負担なしで治療を受ける

様式7号とは?立て替えた治療費を返してもらうための書類です

様式7号は、正式には 「療養補償給付たる療養の費用請求書」 といいます。

主に、労災指定外の病院で治療を受け、 いったん治療費を支払った場合に使用します。

この場合は、病院で医師の証明を受けたうえで、 領収書などを添えて、会社所在地を管轄する労働基準監督署へ提出します。

つまり、様式7号は 一度立て替えた治療費を、あとから労災保険へ請求するための書類 です。

様式7号のイメージ

労災指定外病院で受診する

治療費をいったん支払う

様式7号に医師の証明をもらう

領収書などを添えて労基署へ提出する

労災保険から支給される

実際には「指定病院なら5号だけ」「指定外なら7号だけ」と単純には決まりません

ここは実務でよく誤解されるところです。

実際には、 「指定病院だから5号だけ」 「指定外病院だから7号だけ」 と単純に決まるわけではありません。

受診したタイミングや、 すでに健康保険で受診しているかどうかによっても、 必要な様式が変わることがあります。

そのため、病院の種類だけで即断するのではなく、 今どのように受診していて、すでにいくら支払っているか まで含めて整理することが大切です。

指定病院でも7号を使うことがあります

「労災指定病院なら必ず5号」と思われることがありますが、 必ずしもそうとは限りません。

たとえば、最初は労災だと分からずに健康保険で受診し、 すでに3割負担で治療費を支払っている場合があります。

その後、労災として手続きを進める場合、 すでに支払った治療費を精算するために、 様式7号を使うことがあります。

注意点

様式7号は「労災指定外病院だけで使う書類」と思われがちですが、 過去に健康保険で3割負担してしまった分の精算など、 お金を返してもらう場面で使うことがあります。

健康保険で3割負担してしまった場合はどうする?

仕事中のけがや病気であっても、 最初は労災だと分からず、健康保険で受診してしまうことがあります。

この場合、後から労災として申請する際には、 健康保険で支払った分や自己負担分の調整が必要になることがあります。

実務上は、病院や健康保険側の処理状況によって、 5号で切り替えられる場合もあれば、 7号で精算する場合もあります。

そのため、「3割で払ったからもう労災にできない」ということではありません。 まずは、病院と労基署に確認しながら、どの方法で精算するかを整理します。

※病院や保険者の取扱いによって手続きが異なる場合があります。

よくある勘違い

よくある勘違い①

指定病院なら絶対に5号、とは限りません。
すでに健康保険で受診している場合などは、7号で精算することがあります。

よくある勘違い②

7号は指定外病院だけの書類、とは限りません。
過去に立て替えた治療費の返還を受ける場面でも使うことがあります。

よくある勘違い③

5号は会社が書かないと一切進められない、とは限りません。
事情を整理したうえで、労基署に相談しながら進めるケースがあります。

よくある勘違い④

5号・7号を最初に間違えると申請できない、というわけではありません。
受診状況や支払状況を整理して、途中で修正・確認できるケースもあります。

どちらを使えばいいか分からないときの確認方法

5号か7号か分からないときは、 まず受診先の病院に確認するのが現実的です。

病院への確認例

労災で受診したいのですが、こちらの病院は労災指定医療機関でしょうか。
労災で手続きする場合、様式5号を提出すればよいでしょうか。
それとも、いったん支払って様式7号で請求する流れになりますか。

病院によっては、 「5号を持ってきてください」 「7号で精算してください」 と案内されることがあります。

その場合は、案内された内容をメモしておくと、 後で労基署や会社に確認するときに整理しやすくなります。

会社が労災に協力してくれない場合

実際のご相談では、 「会社が労災と認めてくれない」 「会社が5号を書いてくれない」 「会社に言うのが怖い」 というケースもあります。

様式5号には会社が記入する欄があります。 しかし、会社がすぐに協力してくれない場合でも、 事情を整理したうえで進められるケースがあります。

会社の証明が得られない場合でも、 その事情を記載したうえで、労基署に相談しながら申請を進めることがあります。

会社が協力してくれないからといって、 すぐに労災申請を諦める必要はありません。

会社が様式5号を書いてくれないときの考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

こんな場合は早めに整理しておきましょう

次のような場合は、どの様式を使うか、早めに確認しておくことをおすすめします。

  • 病院から「5号を持ってきて」と言われた
  • 病院から「7号で精算してください」と言われた
  • 労災指定病院かどうか分からない
  • 健康保険で3割負担して受診してしまった
  • 会社が労災と認めてくれない
  • 会社が5号や7号に証明してくれない
  • どの労基署に提出するか分からない
  • パワハラやメンタル不調で、会社に言い出しにくい

特に、メンタル不調やパワハラが背景にある場合は、 会社とのやり取りそのものが大きな負担になることがあります。

申請書の種類だけでなく、 会社への伝え方、病院への確認、労基署への相談方法まで含めて整理しておくことが大切です。

まとめ:5号は病院経由、7号は立替分を労基署へ請求する書類

様式5号と7号の違いを整理すると、次のようになります。

  • 様式5号は、労災指定病院で治療を受けるときに病院へ提出する
  • 様式5号は、治療費を原則立て替えない現物給付のための書類
  • 様式7号は、指定外病院や立替払いの精算で使う
  • 様式7号は、自分で労基署へ請求する現金給付のための書類
  • 指定病院でも、健康保険で3割負担した過去分の精算で7号を使うことがある
  • 会社が協力しない場合でも、労基署に相談して進められることがある

大切なのは、「5号か7号か」を一人で抱え込んで悩み続けないことです。

受診先の病院、会社の対応、すでに支払った治療費の有無によって、 使う書類や進め方が変わることがあります。

様式5号・7号のどちらを使うか迷っている方へ

こもれび社労士事務所では、パワハラ・長時間労働・職場での事故などによる 労災申請のご相談をお受けしています。

「病院から5号と言われたが、よく分からない」
「7号で精算と言われた」
「健康保険で3割負担してしまった」
「会社が労災に協力してくれない」

このような段階でも、状況を拝見しながら一緒に整理できます。

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