退職合意書にサインしていいか迷っている方へ|パワハラ・メンタル不調がある場合に確認したいこと

退職合意書への署名を求められ、サインしてよいか悩む女性のイメージ

「退職合意書を渡されたけれど、サインしてよいのか分からない」

「退職勧奨を受けたあと、気持ちの整理がつかないまま署名を求められている」

「パワハラや強い叱責があり、心身の調子も悪い。退職に同意してしまってよいのか不安」

このようなご相談をいただくことがあります。

退職合意書や退職同意書を渡されると、「早く返事をしなければいけない」「サインしないと迷惑をかけるのでは」と感じてしまう方も少なくありません。

しかし、メンタル不調やパワハラ、退職勧奨が関係している場合は、すぐに署名する前に確認しておきたいことがあります。

この記事では、退職合意書にサインしていいか迷っている方に向けて、特にメンタル不調やパワハラ、退職勧奨がある場合に整理しておきたいポイントをお伝えします。

この記事は、退職合意書にサインするかどうか今は決めきれない方に向けて書いています。

退職合意書を渡されても、今すぐサインしなくて大丈夫です

まずお伝えしたいのは、退職合意書を渡されたからといって、その場ですぐにサインしなければならないわけではない、ということです。

もちろん、会社から「早めに提出してください」「今日中にお願いします」と言われることもあるかもしれません。

しかし、退職合意書は、退職日や退職条件、今後の請求関係などに関わる大切な書類です。

特に、次のような状況がある場合は、いったん持ち帰って確認することをおすすめします。

  • 退職勧奨を受けた直後で、気持ちが混乱している
  • 眠れない、食欲がない、涙が出るなどの症状がある
  • パワハラや強い叱責、孤立、業務外しなどがあった
  • 本当は退職したくなかったが、断れない雰囲気だった
  • 退職日、給与、有給休暇、退職理由などがはっきりしない
  • 「今後一切請求しない」といった文言が入っている

「確認してからお返事します」と伝えることは、決しておかしなことではありません。

体調が不安定な状態で、重要な書類に急いで署名する必要はありません。

退職合意書とは何か

退職合意書とは、会社と労働者が「合意して退職する」ことや、その条件を確認するための書面です。

書面の名前は、会社によってさまざまです。

  • 退職合意書
  • 退職同意書
  • 退職確認書
  • 合意退職に関する書面
  • 退職条件確認書

名前が違っていても、内容としては、退職日、退職理由、給与や退職金、有給休暇、貸与物の返却、秘密保持、今後の請求をしないことなどが書かれている場合があります。

そのため、「ただの退職手続きの書類」と思ってサインする前に、内容を確認することが大切です。

特に注意したい文言

退職合意書の中で、特に注意して確認したいのは、次のような文言です。

  • 本件退職について異議を申し立てない
  • 会社に対して一切の請求をしない
  • 未払賃金、残業代、慰謝料等を含め、何らの債権債務がないことを確認する
  • 退職理由を自己都合退職とする
  • 退職日まで有給休暇を消化しない、または有給休暇について精算しない
  • 守秘義務や口外禁止の範囲が広すぎる

これらの文言があるからといって、必ず不利になると決まるわけではありません。

ただし、あとから労災申請、未払賃金、退職勧奨の経緯などを整理したい場合に、気になる内容が含まれていることがあります。

退職合意書の法的な有効性や、署名後に争えるかどうかは、個別事情によって判断が分かれます。

書面の効力そのものを争う必要がある場合や、損害賠償・慰謝料請求などを検討する場合は、弁護士への相談が必要になることがあります。

メンタル不調がある場合に確認したいこと

退職合意書の問題で見落とされやすいのが、サインを求められたときの心身の状態です。

たとえば、次のような状態はありませんか。

  • 退職勧奨を受けた日から眠れなくなった
  • 食欲が落ちた
  • 会社のことを考えると涙が出る
  • 会社の近くを通れない
  • 関係者の名前を見るだけで苦しくなる
  • 頭が回らず、書面の内容を冷静に読めない
  • 「早く終わらせたい」という気持ちだけでサインしそうになっている

このような状態がある場合、まずは体調を優先して考える必要があります。

退職合意書の内容を確認することも大切ですが、その前に、現在の心身の状態を医療機関で相談することが必要な場合もあります。

受診する場合は、「退職勧奨を受けた」「退職合意書への署名を求められている」「その後眠れない・食欲がない」など、できるだけ事実と症状を分けて伝えるとよいです。

退職勧奨やパワハラがあった場合は、経緯の整理が大切です

退職合意書だけを見ると、「本人が退職に合意した」ように見えることがあります。

しかし実際には、その前に退職勧奨、強い叱責、人格否定、孤立、業務外し、配置転換の示唆などがあり、精神的に追い込まれた状態で署名を求められているケースもあります。

そのため、退職合意書にサインするかどうかを考える前に、次の点を整理しておくことが大切です。

  • 退職の話が出る前に、どのような出来事があったか
  • 誰から、どのような言葉を言われたか
  • 退職を断れる雰囲気だったか
  • 退職を求められた場面に何人いたか
  • その場で泣いてしまった、言い返せなかったなどの状況があったか
  • 退職勧奨の前後で体調がどう変わったか

労災申請を検討する場合も、退職合意書そのものだけでなく、退職合意書を渡されるまでの経過が重要になります。

労災申請を考える場合、退職合意書の前後関係も大切です

メンタル不調の労災申請では、「どの出来事によって精神的な負荷がかかったのか」「いつ頃から症状が出たのか」が大切になります。

退職合意書を渡されたことだけで労災になる、という単純な話ではありません。

ただし、退職勧奨やパワハラ、強い叱責、孤立、業務上の扱いの変化などがあり、その後に不眠、食欲不振、抑うつ、不安感などが出ている場合は、経過を整理する意味があります。

特に、次のような資料がある場合は、保管しておくことをおすすめします。

  • 退職合意書、退職同意書の写真やコピー
  • 会社とのLINE、メール、チャット
  • 退職勧奨の日のメモや日記
  • 友人や家族に送った当時のメッセージ
  • 診断書、受診記録、お薬手帳
  • 出勤簿、給与明細、シフト表

「証拠として使えるか分からない」と思うものでも、あとから経過を整理する際に役立つことがあります。

傷病手当金や失業給付にも関係することがあります

退職合意書にサインする前に、労災だけでなく、傷病手当金や失業給付との関係も確認しておきたい場合があります。

たとえば、退職前からメンタル不調で働けない状態がある場合、健康保険の傷病手当金を検討することがあります。

一方で、退職後すぐに働ける状態ではない場合、失業給付の手続きにも影響が出ることがあります。

また、労災申請を検討する場合は、仕事が原因で発症・悪化した可能性があるのか、健康保険で進めるのか、労災として整理するのかも確認が必要です。

制度がいくつも関係するため、体調が悪い状態で一人で判断しようとすると、とても負担が大きくなります。

サインする前に整理したい3つの軸

退職合意書にサインしてよいか迷っている場合は、まず次の3つに分けて整理してみてください。

  1. 体調
    眠れない、食べられない、涙が出る、会社のことを考えると苦しいなどの症状があるか。
  2. 退職までの経緯
    退職勧奨、叱責、孤立、業務外し、配置転換の示唆など、退職に至るまでの出来事があったか。
  3. 書面の内容
    退職日、退職理由、給与、有給休暇、今後の請求をしない文言などがどう書かれているか。

この3つを整理すると、「今サインしてよいのか」「まず確認すべきことがあるのか」が見えやすくなります。

相談したからといって、すぐ会社に連絡するわけではありません

退職合意書の相談をすると、「すぐ会社に連絡されるのでは」「会社と争う方向に進むのでは」と不安に感じる方もいらっしゃいます。

当事務所では、ご本人の了承なく会社や労基署へ連絡することはありません。

まずは、退職合意書の内容、退職に至るまでの経緯、現在の体調を整理し、どのような選択肢がありそうかを一緒に確認します。

そのうえで、労災申請を検討するのか、医療機関の受診を優先するのか、弁護士相談が必要な内容なのかなど、状況に応じて整理していきます。

「サインしてよいか分からない」という段階でも、ご相談いただいて大丈夫です。

退職合意書に署名する前に、まず状況を整理するだけでも意味があります。

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まとめ|退職合意書は、心身がつらいときほど急がず確認しましょう

退職合意書を渡されると、その場でサインしなければいけないように感じることがあります。

しかし、パワハラ、退職勧奨、メンタル不調が関係している場合は、すぐに署名する前に確認しておきたいことがあります。

特に、退職に至るまでの経緯、現在の体調、書面の内容は分けて整理することが大切です。

サインするかどうかは、今すぐ決めなくても大丈夫です。

まずは、退職合意書の内容と、そこに至るまでに何があったのかを整理するところから始めてみてください。

退職合意書にサインしていいか迷っている方へ

こもれび社労士事務所では、メンタル不調やパワハラ、退職勧奨に関する労災申請について、「まだ申請するか決めていない」段階からご相談をお受けしています。

退職合意書を渡されて不安な場合も、まずは書面の内容、退職に至るまでの経緯、現在の体調を一緒に整理するところからで大丈夫です。

短文、箇条書き、書面の写真、LINEやメールのスクリーンショットでも問題ありません。ご本人の了承なく、会社や労基署へ連絡することはありません。

「サインしていいか分からない」「労災申請を考えてよいのか確認したい」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です

「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。

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