発達障害・ADHDがある場合でも労災になることはありますか?仕事による悪化と配慮不足の考え方

発達障害やADHDがある方が仕事による体調悪化と労災申請について考えているイメージ

「発達障害やADHDがあります」
「仕事で体調を崩しても、もともとの特性のせいと見られないか不安です」
「配慮がないまま働き続けて、精神的に限界になりました」

精神障害の労災申請では、このようなご相談をいただくことがあります。

結論からいうと、発達障害やADHDがあることだけで、労災申請ができなくなるわけではありません。

大切なのは、もともとの特性や診断名そのものではなく、仕事上の出来事や配慮不足によって、精神状態が悪化したといえるかです。

発達障害・ADHDがある場合でも、職場での強い心理的負荷、叱責、孤立、業務量の増加、配慮不足などによって症状が悪化した場合には、労災申請を検討できることがあります。

発達障害やADHDがあると労災では不利になりますか?

発達障害やADHDがある場合、労基署では「もともとの特性や病気によるものなのか」「仕事上の出来事によって悪化したのか」が確認されることがあります。

ただし、診断名があること自体で、直ちに労災が否定されるわけではありません。

労災で重要になるのは、

  • 悪化する前はどの程度働けていたか
  • どのような業務上の出来事があったか
  • 会社が特性や体調を把握していたか
  • 配慮を求めた経過があるか
  • 相談後も負荷が続いたか
  • その後、症状がどのように悪化したか

といった点です。

「もともとの特性だから自己責任」とは限りません

発達障害やADHDがある方は、仕事上のミス、段取り、注意の切り替え、対人関係などで苦しむことがあります。

しかし、それだけで「自己責任」と決めつけられるわけではありません。

たとえば、

  • 特性を伝えていたのに配慮されなかった
  • できないことを何度も強く叱責された
  • 相談しても業務量や担当が変わらなかった
  • 周囲から孤立させられた
  • 一方的に能力不足と扱われた
  • 配置転換後に体調が急激に悪化した
  • 合理的配慮を求めたあとに関係が悪化した

といった事情がある場合は、仕事上の心理的負荷として整理できる可能性があります。

障害者雇用や配慮不足が関係する場合

発達障害やADHDがある方の中には、障害者雇用で働いている方や、会社に診断名・特性を伝えたうえで勤務している方もいます。

この場合、労災申請では、会社が本人の状態をどの程度把握していたか、どのような配慮をしていたかが重要になることがあります。

たとえば、

  • 配慮事項を書面や面談で伝えていた
  • 診断書や意見書を会社に提出していた
  • 業務量や指示方法について相談していた
  • 苦手な業務を避ける配慮を求めていた
  • 相談後も改善されなかった

といった経過があれば、時系列で整理しておくことが大切です。

障害者雇用であることそのものよりも、会社が知っていた情報に対して、どのような対応をしたかが重要になります。

労基署に見られやすいポイント

発達障害・ADHDがある場合、労基署では次のような点を確認する可能性があります。

  • 診断を受けた時期
  • 障害者雇用か一般雇用か
  • 会社が診断名や特性を知っていたか
  • 配慮を求めた記録があるか
  • 悪化前の勤務状況
  • 業務上の出来事の内容
  • 症状が悪化した時期
  • 主治医の診断書やカルテの記載
  • 業務外の事情の有無

ここで大切なのは、発達障害やADHDを隠すことではありません。

むしろ、もともとの特性がある場合ほど、どこまでが特性による困りごとで、どこからが仕事による悪化なのかを分かりやすく整理することが重要です。

悪化前に働けていた事実は重要です

発達障害やADHDがあっても、これまで働けていた時期がある場合、その事実は重要です。

たとえば、

  • 同じ会社で一定期間勤務できていた
  • 以前の部署では大きく体調を崩していなかった
  • 配置転換後に急に悪化した
  • 特定の上司との関係で悪化した
  • 業務量や責任が増えたあとに悪化した

といった事情があれば、「もともとの特性だけ」とは言い切れない可能性があります。

勤務表、メール、LINE、面談記録、診断書、相談記録などをもとに、悪化前後の違いを整理していくことが大切です。

整理しておきたいこと

発達障害やADHDがある方が労災申請を検討する場合は、次の点を整理しておくとよいです。

  • 診断を受けた時期
  • 会社に伝えていた内容
  • 障害者雇用かどうか
  • 求めていた配慮の内容
  • 会社の対応
  • 悪化前の勤務状況
  • 悪化のきっかけになった出来事
  • 症状が悪化した時期
  • 休職・退職に至った経過
  • 主治医に伝えている内容

特に、会社に相談した記録や、配慮を求めた経過がある場合は、重要な資料になることがあります。

よくある誤解

発達障害やADHDがあると、労災は認められませんか?

いいえ、発達障害やADHDがあることだけで、労災申請ができなくなるわけではありません。

今回の仕事上の出来事や配慮不足によって、精神状態が悪化したといえるかどうかが重要です。

ミスが多かった場合は不利ですか?

ミスがあったことだけで、労災申請が否定されるわけではありません。

問題になるのは、ミスに対して過度な叱責や人格否定があったのか、会社が特性を知りながら必要な配慮をしなかったのか、相談後も負荷が続いたのかといった点です。

障害者雇用なら、体調悪化は自己責任になりますか?

障害者雇用であることだけで、体調悪化が自己責任になるわけではありません。

会社が状態を把握していたにもかかわらず、必要な配慮をしなかった場合には、重要な確認ポイントになることがあります。

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ご自身のケースで迷う場合

発達障害やADHDがあるケースでは、「診断名」だけで判断するのではなく、仕事上の出来事、会社の配慮、悪化前後の経過を丁寧に整理する必要があります。

「自分の特性のせいだから無理」と決めつけず、仕事による悪化の可能性があるかを確認していくことが大切です。

発達障害やADHDがある場合でも、仕事による悪化がある場合は労災申請を検討できることがあります。

短文・箇条書き・スクリーンショットだけでも大丈夫です。
状況を確認しながら、どのように整理できるか一緒に考えます。

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既往歴や障害者雇用がある場合の考え方をまとめた記事はこちらです。

もともと病気があった場合でも労災になる? 既往歴・障害者雇用・悪化の考え方まとめ

ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

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