メンタル労災認定基準のポイント|発症前6か月と強い心理的負荷の整理

メンタル労災の認定基準について発症前6か月の出来事を整理する相談風景

「精神障害の労災は、どのような基準で判断されるのでしょうか」 「発症前6か月や『強い心理的負荷』といった言葉を見ても、自分の場合にどう当てはまるのか分かりません」 こうしたご相談は少なくありません。

メンタル不調やパワハラをきっかけに労災申請を考えるとき、 認定基準の言葉だけを読んでも、 「自分は対象外かもしれない」と感じて止まってしまう方が多いです。

ただ、実際には、 認定基準を読むことよりも、発症前6か月の出来事、症状の流れ、資料とのつながりを整理すること が大切になることがあります。

この記事では、 精神障害の労災認定で見られる基本的なポイントに加えて、 こもれび社労士事務所で実際のご相談を整理するときに、 どこを見ているのかもあわせてご紹介します。

精神障害の労災認定で大切な3つの条件

精神障害が労災として認定されるためには、 主に次の3つの条件が見られます。

  • 対象となる精神障害にあたるか
  • 発症前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷があったか
  • 業務以外の要因をふまえても、業務による影響が認められるか

ここでいう精神障害には、 うつ病、適応障害、急性ストレス反応などが含まれます。 一方で、病名だけで直ちに労災になるわけではありません。

また、「発症前おおむね6か月」は、 仕事上の出来事と症状との関係を見るうえで重要な期間です。 何があり、その後どのように不眠、不安、抑うつ、欠勤や休職につながったのかが見られます。

2023年改正で変わったポイント

2023年9月には、 「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」が改正されました。

主な見直しとしては、次のような点があります。

  • 業務による心理的負荷評価表の見直し
  • 特別な出来事の整理
  • 顧客や取引先などからの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントの追加
  • パワハラに関する出来事の例示の見直し
  • 既にある精神障害が悪化した場合の業務起因性の考え方の整理

これにより、 パワハラやカスタマーハラスメントを含む事案、 既往歴がある方の事案についても、 どのように検討するかの枠組みが整理されました。

制度改正のポイントを知ることは大切ですが、 実際の申請では 「自分の出来事が評価表のどこに当たりそうか」 を具体的に見ていくことの方が重要です。

実際のご相談では「強い心理的負荷」だけで決まるわけではありません

認定基準の説明では、 「強い心理的負荷があったか」が強調されることが多いです。 ただ、実際のご相談では、それだけで単純に決まるわけではありません。

たとえば、 パワハラ単体、 配置転換単体、 長時間労働単体だけで見ると、 ご本人が「これだけでは弱いかもしれない」と感じていることがあります。

しかし実際には、 配置転換のあとに業務量が増え、 その中で叱責や孤立が続き、 さらに長時間労働やクレーム対応が重なっていた、 というように、 複数の出来事の積み重ね が問題になることも少なくありません。

こもれび社労士事務所でも、 「一つひとつは弱い気がするが、全体として見るとかなり負荷が重なっていた」 という整理になるケースがあります。

実務でよく問題になるところ

既往歴がある場合

もともと心療内科や精神科に通っていた、 過去に休職していた、 以前にも不調があった、 という場合、 「既往歴があるから無理ではないか」と不安になる方は少なくありません。

ただ、既往歴があることだけで直ちに対象外になるわけではありません。 実際には、 これまでの経過と、今回の仕事上の出来事、その後の悪化の流れを整理して検討します。

私生活上の出来事がある場合

家庭の事情、経済的な不安、身近な方の病気など、 私生活上の要因が重なっている場合もあります。

こうした事情があると、 「仕事が原因とは言えないのではないか」と考えてしまう方もいます。 しかし、実際には業務上の出来事と症状の関係を丁寧に見ていくことになります。

複数の出来事が重なっている場合

長時間労働、パワハラ、孤立、異動、責任の急増、事故対応など、 複数の出来事が重なっているケースは少なくありません。

このような場合は、 何が一番つらかったかだけではなく、 どう積み重なって不調につながったのかを時系列で見ることが大切です。

「自分は労災にならないと思っていた」というご相談も少なくありません

実際のご相談では、 最初から「自分は労災になる」と考えて来られる方ばかりではありません。

むしろ、 「パワハラと言えるほどではない気がする」 「自分が弱いだけだと思っていた」 「既往歴があるから無理だと思っていた」 「会社が認めてくれないから無理だと思っていた」 という段階でご相談いただくことも多いです。

その中には、 話を聞いていくと、 発症前6か月に出来事が集中していたり、 症状の出方と仕事上の負荷がつながっていたりして、 整理する意味があるケースもあります。

会社が「労災ではない」と言っていても、 それだけで決まるわけではありません。 メンタル労災では、 本人の感覚だけでも、会社の一言だけでもなく、 出来事、症状、資料の流れを整理して考えることが大切です。

申請を考えるときに整理しておきたいこと

認定基準を細かく覚える必要はありませんが、 申請を考えるときは、次のような点を整理しておくと進めやすくなります。

  • 発症前おおむね6か月の間に、どのような仕事上の出来事があったか
  • その出来事のあと、いつ頃から症状が出たか
  • 受診の時期と診断名
  • 休職、欠勤、退職につながっているか
  • LINE、メール、勤怠、録音、メモなどの資料があるか
  • 既往歴や私生活上の出来事がある場合は、その時期と内容

こもれび社労士事務所でも、 まずは「何があったか」「いつから症状が出たか」を整理するところから始めることが少なくありません。

労災になる可能性の全体像を先に確認したい方は、 労災になる可能性を5分でチェック|メンタル不調で申請を考えるときの判断ポイント も参考になります。

認定基準を一人で読み込む必要はありません

精神障害の認定基準は、 一般の方が最初から読み込むには負担の大きい内容です。

しかし実際のご相談では、 認定基準を覚えることよりも、 出来事、症状、時系列を整理すること の方が重要になることが多いです。

特に、 既往歴がある、 出来事が複数ある、 会社が否定している、 何を主治医に伝えればよいか分からない、 という場合は、 先に整理の方向性をつける意味があります。

こもれび社労士事務所での整理の仕方

こもれび社労士事務所では、 認定基準をそのまま説明するだけでなく、 ご本人の状況に当てはめて整理することを大切にしています。

  • 発症前おおむね6か月の出来事を時系列で整理する
  • どの出来事が、どの時期に、どのような負担になっていたかを確認する
  • 症状が出た時期と、受診や休職とのつながりを整理する
  • 既往歴がある場合は、以前の状態と今回の違いを確認する
  • 資料と出来事の対応関係を整理し、労基署に伝わりやすい形へ整える

こうした整理は、 書類を作る前の段階で方向性を見立てるためにも大切です。

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ご相談について

「認定基準を読んでも、自分に当てはまるのか分からない」 「既往歴があるので難しいのではないかと感じている」 「会社が労災ではないと言っている」 という段階でもご相談いただけます。

文章がまとまっていなくても大丈夫です。 「いつ頃から不調か」「仕事でどのような出来事があったか」を、 書ける範囲でLINEからお送りください。

こもれび社労士事務所
https://komorebi-sharoushi.com

ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です

「まだ相談するか決めていない」
「何を書けばいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。

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※ 「まず整理だけ」でも大丈夫です

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