傷病手当金と障害年金は同時にもらえますか?【併給と調整のポイント】

傷病手当金と障害年金は同時にもらえるのか、併給や調整の仕組みについて解説するイメージ

「傷病手当金と障害年金は、同時にもらえますか?」

うつ病や適応障害などで休職中の方から、このご相談をいただくことがあります。

結論からいうと、傷病手当金と障害年金は、同時に関係してくることがあります。

ただし、同じ病気やけがについて傷病手当金と障害厚生年金を受ける場合には、金額の調整が必要になることがあります。

そのため、「どちらか一方しか考えられない」と決めつける必要はありませんが、「両方をそのまま満額でもらえる」とも限りません。

この記事では、うつ病・適応障害・双極性障害などで休職中の方に向けて、傷病手当金と障害年金の関係をわかりやすく整理します。

傷病手当金と障害年金は制度が違います

傷病手当金は、健康保険から支給される給付です。

病気やけがで仕事を休み、給与を受けられない場合に、生活を支えるために支給されます。

一方で、障害年金は、病気やけがによって日常生活や就労に支障がある場合に、年金制度から支給されるものです。

つまり、傷病手当金は主に「休職中の所得補償」、障害年金は「病気や障害が長く続く場合の生活保障」という性格があります。

どちらも生活を支える制度ですが、目的や審査のポイントが違います。

傷病手当金は通算1年6か月が基本です

傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。

途中で復職した期間がある場合でも、同じ病気やけがについて支給された日数を通算して考えます。

そのため、休職が長引いている方は、「いつまで傷病手当金を受けられるのか」を早めに確認しておくことが大切です。

特に、傷病手当金の終了時期が近づいてから障害年金を考え始めると、初診日の確認や診断書の準備に時間がかかることがあります。

障害年金は原則として初診日から1年6か月後を基準に考えます

障害年金では、初診日がとても重要です。

初診日とは、その病気やけがについて初めて医療機関を受診した日のことです。

障害年金は、原則として初診日から1年6か月が経過した「障害認定日」を基準に考えます。

そのため、傷病手当金の支給期間と、障害年金を検討する時期は重なることがあります。

たとえば、うつ病で休職が長引いている方の場合、傷病手当金の終了が近づく頃に、障害年金も検討する時期に入っていることがあります。

同じ病気で障害厚生年金を受ける場合は調整されることがあります

同じ病気やけがについて、傷病手当金と障害厚生年金を受ける場合には、傷病手当金が調整されることがあります。

簡単にいうと、障害厚生年金などの金額を日額に直した額と、傷病手当金の日額を比べて、傷病手当金の方が多い場合には差額が支給される、という考え方です。

多くのケースでは、障害厚生年金の方が優先となり、重なっている期間については、傷病手当金を一部返納したり、差額のみが支給されたりする形になります。

そのため、障害厚生年金が決まったからといって、必ず二重に満額でもらえるわけではありません。

また、障害年金がさかのぼって決定した場合には、すでに受け取った傷病手当金について、後から調整や返納が必要になることがあります。

この点は、金額や期間によって変わるため、個別に確認することが大切です。

障害基礎年金だけの場合は扱いが異なることがあります

障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があります。

初診日に厚生年金に加入していた場合は、障害厚生年金の対象になる可能性があります。

一方で、初診日に国民年金に加入していた方や、20歳前に初診日がある方などは、障害基礎年金が中心になります。

傷病手当金との調整で特に問題になりやすいのは、同じ傷病について障害厚生年金を受ける場合です。

そのため、ご自身の初診日がいつで、その時にどの年金制度に加入していたのかを確認することが大切です。

別の病気やけがの場合は、整理が変わることがあります

傷病手当金と障害年金が、別の病気やけがを理由に支給される場合は、整理が変わることがあります。

たとえば、以前から別の病気で障害年金を受けていて、その後、別の病気やけがで休職し、傷病手当金を受けるようなケースです。

このような場合には、同じ傷病による調整とは異なる扱いになることがあります。

ただし、実際には病名が違っていても、関連する傷病と判断される場合もあります。

「別の病気だから大丈夫」と自己判断せず、支給理由や診断名、初診日、請求内容を確認することが大切です。

傷病手当金が終わりそうなときは早めに確認しましょう

次のような場合は、障害年金を早めに検討した方がよいことがあります。

  • 傷病手当金の終了時期が近づいている
  • 休職期間が長くなっている
  • 復職の見通しが立っていない
  • 休職満了や退職が近づいている
  • 主治医から就労制限や休養継続を指示されている
  • 家事や外出、人とのやり取りにも大きな負担がある
  • 今後の生活費に不安がある

障害年金は、請求しようと思ってすぐに結果が出る制度ではありません。

初診日の確認、診断書の依頼、病歴・就労状況等申立書の作成など、準備に時間がかかります。

そのため、傷病手当金が終わってから動くのではなく、終了時期が見えてきた段階で一度整理しておくことをおすすめします。

目安として、傷病手当金の終了まで半年〜3か月ほどになったタイミングで、一度、障害年金の可能性を確認しておくと、比較的余裕を持って準備を進めやすくなります。

障害年金の準備で確認しておきたいこと

傷病手当金を受けている方が障害年金を検討する場合、次の点を確認しておくとよいです。

  • 初診日はいつか
  • 初診日に加入していた年金制度は何か
  • 保険料納付要件を満たしているか
  • 傷病手当金の支給開始日と終了予定日
  • 現在の診断名と治療内容
  • 主治医が日常生活や就労状況を把握しているか
  • 休職、復職、退職の経過
  • 家族や周囲の支援がどの程度必要か

特に、初診日と傷病手当金の支給期間は、後から確認しようとすると時間がかかることがあります。

保険者から届いている通知や、会社との休職関係の書類、診断書などは保管しておくことをおすすめします。

労災申請中の場合はさらに整理が必要です

うつ病や適応障害の背景に、パワハラ、長時間労働、配置転換、退職強要などがある場合、労災申請を検討している方もいます。

この場合、傷病手当金、障害年金、労災保険が関係してくることがあります。

労災では「仕事が原因かどうか」が問題になります。

傷病手当金では「健康保険上、仕事を休んで給与を受けられない状態か」が問題になります。

障害年金では「日常生活や就労にどの程度支障があるか」が問題になります。

それぞれ見ているポイントが違うため、一つの制度だけで判断しないことが大切です。

労災申請中の障害年金については、「労災申請中でも障害年金は請求できますか?」の記事でも詳しく解説しています。

よくある誤解

傷病手当金を受けていると、障害年金は請求できない?

傷病手当金を受けているからといって、障害年金を請求できないわけではありません。

ただし、同じ傷病について障害厚生年金が決まった場合には、傷病手当金との調整が必要になることがあります。

障害年金が決まると、傷病手当金はすぐ全部返さないといけない?

必ず全部を返すとは限りません。

調整の対象になる期間や金額によって変わります。

ただし、障害年金がさかのぼって決定した場合には、すでに受け取った傷病手当金について、返納が必要になることがあります。

傷病手当金が終わってから障害年金を考えればよい?

傷病手当金が終わってから動き始めると、準備が間に合わないことがあります。

初診日の確認や診断書の準備には時間がかかるため、終了時期が近づいてきた段階で一度確認しておくことをおすすめします。

インターネットの情報だけを見て、ご自身で返納額を計算しようとして、かえって不安が大きくなってしまう方もいます。

実際には、健康保険や年金事務所との調整が必要になるため、一人で抱え込まず確認することが大切です。

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こもれび社労士事務所でできること

こもれび社労士事務所では、うつ病・適応障害・双極性障害など、精神の障害年金に関するご相談をお受けしています。

傷病手当金を受けている方については、現在の支給状況や終了予定時期を伺いながら、障害年金を検討した方がよいかを一緒に整理します。

また、パワハラや長時間労働などが背景にある場合には、労災申請との関係も含めて確認します。

「傷病手当金が終わった後、どうすればよいか不安」

「障害年金も考えた方がよいのか分からない」

「労災申請、傷病手当金、障害年金の関係を整理したい」

そのような方は、一人で抱え込まず、LINEで現在の状況をお送りください。

短文でも、箇条書きでも、スクリーンショットでも大丈夫です。

「傷病手当金を受けていますが、障害年金も考えた方がいいでしょうか?」という一文だけでも構いません。

平日の日中にすぐ返信できない場合もありますが、必ず目を通してお返事しています。

まとめ

傷病手当金と障害年金は、同時に関係してくることがあります。

ただし、同じ病気やけがについて傷病手当金と障害厚生年金を受ける場合には、金額の調整が必要になることがあります。

傷病手当金は通算1年6か月、障害年金は原則として初診日から1年6か月後の障害認定日を基準に考えます。

そのため、傷病手当金の終了が近づいている方は、早めに障害年金の可能性を確認しておくことが大切です。

制度を一人で切り分けようとすると、とても不安になります。

まずは、現在の状況と今後の見通しを整理するところから始めていきましょう。

傷病手当金の終了後が不安な方へ

休職中の方の中には、

  • 傷病手当金が終わった後の生活が不安
  • 障害年金も考えた方がよいのか分からない
  • 傷病手当金と障害年金の調整がよく分からない
  • 労災申請も関係していて整理できない

という方も少なくありません。

こもれび社労士事務所では、現在の状況をお伺いしたうえで、傷病手当金・障害年金・労災申請の関係を一緒に整理しています。

短文でも、箇条書きでも、スクリーンショットでも大丈夫です。

「傷病手当金を受けていますが、障害年金も考えた方がいいでしょうか?」という一文だけでも構いません。

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ここまで読んで、まだ迷っていても大丈夫です。

まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です

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