病歴・就労状況等申立書にパワハラや職場の出来事は書くべき?書き方のポイントを解説

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「病歴・就労状況等申立書に、パワハラや職場での出来事を書いてもよいのでしょうか」

障害年金の請求を準備している方から、このようなご相談を受けることがあります。

特に、うつ病、適応障害、PTSD、不安障害などで、職場のストレスやパワハラ、配置転換、長時間労働などがきっかけになっている場合、どこまで書くべきか迷いやすいところです。

結論からいうと、パワハラや職場の出来事が、発症・悪化・休職・退職などの経過に関係している場合は、病歴・就労状況等申立書に書いてよい内容です。

ただし、障害年金の病歴・就労状況等申立書は、会社への苦情や相手への非難を書く書類ではありません。大切なのは、出来事そのものよりも、その出来事によって症状や生活・就労状況がどう変化したかを整理することです。

結論:
病歴・就労状況等申立書に、パワハラや職場の出来事を書いてはいけないわけではありません。
ただし、「誰が悪いか」ではなく、「いつ、どのような出来事があり、その後どのように症状や生活・仕事に支障が出たか」を落ち着いて書くことが大切です。

病歴・就労状況等申立書は、何を書く書類なのか

病歴・就労状況等申立書は、障害年金の請求で、発病から現在までの経過や、生活・就労の状況を説明するための書類です。

診断書だけでは伝わりにくい、症状の経過、通院状況、休職や退職の流れ、日常生活で困っていることなどを補う役割があります。

そのため、病気の経過に関係する職場の出来事がある場合には、その出来事を書くこと自体は不自然ではありません。

病歴・就労状況等申立書の基本的な書き方は、病歴・就労状況等申立書の書き方テンプレ|例文・NG例付きの記事でも詳しく解説しています。

パワハラや職場の出来事を書いた方がよいケース

次のような場合は、病歴・就労状況等申立書に職場での出来事を整理して書く意味があります。

  • 上司の叱責や暴言の後から症状が悪化した
  • 配置転換や異動をきっかけに通院や休職に至った
  • 長時間労働や過重な業務が続いていた
  • 職場で孤立し、出勤が困難になった
  • 会社とのやり取りをきっかけにフラッシュバックや不眠が強くなった
  • 休職・退職の直接のきっかけが職場の出来事だった

このような場合、職場の出来事をまったく書かないと、なぜ症状が悪化したのか、なぜ休職・退職に至ったのかが分かりにくくなることがあります。

上司の暴言や叱責が問題になる場合は、上司の暴言・叱責・人格否定でうつになったら労災になる?の記事でも詳しく解説しています。

書くときは「出来事」と「症状の変化」をセットにする

病歴・就労状況等申立書に職場の出来事を書く場合は、出来事だけを長く書くのではなく、その後の症状や生活への影響と結びつけて書くことが大切です。

書き方のイメージ

  • いつ頃、どのような出来事があったか
  • その後、どのような症状が出たか
  • 通院、休職、退職などにつながったか
  • 日常生活や仕事にどのような支障が残っているか

たとえば、「上司にひどいことを言われた」とだけ書くよりも、「その後から眠れなくなり、出勤前に動悸が出るようになり、心療内科を受診した」というように、症状の変化まで書いた方が伝わりやすくなります。

避けた方がよい書き方

一方で、病歴・就労状況等申立書では、次のような書き方は避けた方がよいです。

  • 相手への怒りや非難だけが長く続く
  • 出来事の詳細ばかりで、症状や生活状況が書かれていない
  • 時系列が前後していて、経過が分かりにくい
  • 診断書やカルテの内容と大きく食い違う
  • 労災申請で提出した内容と説明が矛盾している

とくに、診断書の「発症の経緯」に家庭不和や私生活のストレスも書かれているのに、申立書では「職場のパワハラだけが原因」としてしまうと、全体として矛盾して見えることがあります。

もちろん、つらかった出来事を書くこと自体が悪いわけではありません。

ただし、障害年金の審査では、会社の責任追及そのものが目的ではなく、病気の経過や障害の状態を確認することが中心になります。

注意点:
病歴・就労状況等申立書は、会社や上司を責めるための書類ではありません。
職場の出来事を書く場合も、「その出来事によって、症状・通院・休職・生活状況がどう変わったか」を中心に整理しましょう。

労災申請も考えている場合は、特に整合性が大切です

パワハラや職場の出来事が原因でメンタル不調になった場合、障害年金だけでなく、労災申請を検討する方もいます。

その場合、病歴・就労状況等申立書に書く内容と、労災申請で提出する時系列表や申立書の内容が大きく食い違わないように注意が必要です。

たとえば、障害年金の書類では「家庭の事情で悪化した」と書いている一方で、労災の資料では「職場のパワハラが主な原因」と書いていると、後から説明が難しくなることがあります。

逆に、労災申請で整理した出来事や時系列は、障害年金の病歴・就労状況等申立書を作成するときの参考になることがあります。

労災申請中に障害年金を検討する場合は、労災申請中でも障害年金は請求できる?の記事も参考になります。

労災としても検討した方がよいケース

病歴・就労状況等申立書を書いている中で、職場の出来事が大きく関係していると感じる場合、障害年金だけでなく、労災申請も検討できる可能性があります。

たとえば、次のような事情がある場合です。

  • 上司から継続的に暴言や人格否定を受けていた
  • 配置転換や異動の後に急激に症状が悪化した
  • 長時間労働や過重な責任が続いていた
  • 職場で孤立する状況が続き、出勤できなくなった
  • 会社から退職を迫られるようなやり取りがあった

もちろん、職場の出来事があれば必ず労災になるわけではありません。

労災も視野に入れている場合は、出来事を「○年○月頃・○○の場面で・どのような発言や対応があったか」と具体的に整理し、当時のメモやメール、チャット履歴、録音などの証拠になり得るものがあれば併せて保管しておくと、後の手続きで役立つことがあります。

精神障害の労災では、発症前のおおむね6か月間に、業務による強い心理的負荷があったかどうかなどを整理します。

心理的負荷の考え方については、労災の心理的負荷評価表の見方と「強・中・弱」セルフチェックの記事でも解説しています。

書き方の例

実際に書く場合は、次のように「出来事」と「症状の変化」をつなげて整理すると伝わりやすくなります。

例文

令和○年○月頃から、上司から業務上の注意を受ける場面が増えました。特に、人前で強い口調で叱責されることが続き、その頃から出勤前に動悸や吐き気が出るようになりました。夜も眠れない日が増え、令和○年○月に心療内科を受診しました。その後も症状が改善せず、医師の指示により休職することになりました。

このように、相手を責める表現を強くしすぎるよりも、経過と症状の変化を中心に書く方が、障害年金の書類としては整理しやすくなります。

職場の出来事を書きすぎるのが不安な場合

「どこまで書いてよいか分からない」「労災申請との関係が心配」「会社への不満のように見えないか不安」という方もいると思います。

その場合は、まず時系列を分けて整理することが大切です。

  • 病気の経過
  • 職場で起きた出来事
  • 通院・休職・退職の経過
  • 現在の日常生活の支障

これらを一度分けて整理したうえで、病歴・就労状況等申立書には、障害年金の審査で必要な範囲に絞って書いていくとよいです。

病歴・就労状況等申立書の具体的な書き方や例文を確認したい方は、 以下の記事も参考にしてください。

まとめ:パワハラや職場の出来事は、経過に関係する範囲で書いて大丈夫です

病歴・就労状況等申立書に、パワハラや職場の出来事を書いてはいけないわけではありません。

発症、悪化、通院、休職、退職などに関係している場合は、むしろ書いた方が経過が分かりやすくなることがあります。

ただし、大切なのは、会社や上司を責めることではなく、病気の経過と生活・就労への支障を伝えることです。

職場の出来事を書く場合は、「いつ、何があり、その後どのような症状や生活の変化があったか」を、落ち着いて整理しましょう。

病歴・就労状況等申立書と労災申請の関係も、一緒に整理できます。

こもれび社労士事務所では、メンタル不調・パワハラによる労災申請や、障害年金のご相談をお受けしています。
「病歴申立書にどこまで職場のことを書いてよいか」「労災申請も考えた方がよいか」など、まずは状況整理からで大丈夫です。

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